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小田急百貨店(東京・新宿)の食料品フロアの一角にある「こだわりや」。首都圏に約20店舗展開するこだわりやは、有機農法で栽培された農産物や加工食品を中心に取り扱う有機食品専門店だ。国の認証である「有機JAS」マークのついた有機JAS野菜は、通常の価格より3割〜4割程度高いが、食品の安全や健康に関して意識の高い消費者が購入していく。
スーパーマーケットの野菜売り場でも、「有機JAS」表示のある野菜が置かれているのをよく目にするようになった。有機JAS野菜の割合は野菜売り場全体の1割未満で、品目数も限られているため、「今晩の夕食をすべて有機野菜でまかないたい」と考える消費者にとって便利とはあまり言えない。こだわりやのような有機専門店や通販宅配ならば、一通り必要な食材がそろうため、比較的意識の高い消費者が集まる。
ところが、「(意識の高い消費者でも)有機野菜のことを分かっているようで分かっていないんだなあ」。
茨城県・北浦町にある農事組合法人「要農場(通称:POD要ファーム)」の代表である磯山茂男氏は、先日、こだわりやの店先に立った感想をため息交じりにこう漏らした。要ファームで栽培された有機農産物も、こだわりやで販売している。
例えば、「有機野菜って無農薬なんでしょう?」と信じきっている消費者がいるかと思えば、「有機野菜は単に有機的な肥料を使って栽培した野菜のこと」「有機JASと表示された野菜よりも“無農薬・無化学肥料”という表示(編注:現在は表示として使えない)がついている方が安全」――など、消費者によって「有機野菜」のとらえ方がまちまちなのだ。「どれも認識が違うんです。聞かれれば説明はしますよ、でも複雑なのでなかなか理解してもらえない」(磯山氏)。
実際、有機農産物に対する消費者の意識を見てみると(調査:IFOAMジャパン「有機・特別栽培マーケット総覧2003」首都圏の主婦約200人に対するアンケート)、有機JAS制度の認知度について、「知っている、おおよそ知っている」が46.3%、「あいまいである」が49.7%と分かれ、あいまいだと感じている消費者が半分近くいることが分かる。
なぜ、このようなことが起きるのだろうか。はたして、有機野菜とはどのような野菜なのだろうか。 |