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インタビュー 連載コラム「ビジネス+ITキーワード」総括編今こそおさえておくべき「ビジネス+IT」のトレンド

●日本への留学の後、28歳で自ら開発したソフトウエアを販売する「ソフトブレーン」を設立した宋文洲氏。宋氏は、事業を拡大しつつ、日本企業の様々な側面を目の当たりにする中で、中国人という立場から「変だ」と感じる様々なビジネス上の因習や“ムダ”についてメッセージを発信してきた。
●宋氏が最も厳しく指摘するのは、終身雇用など「これぞニッポン型経営」と言われてきたような、ビジネス上の仕組みを見直す時期にきているのではないか、ということだ。「頑張れ」「根性で乗り切れ」といった精神論で社員を激励するだけでうまくいく時代ではない。今、日本企業が次のステージにステップアップしていくために必要なことは何か。それは「マネジメント」であると宋氏は断言する。

聞き手/土屋泰一
文/山本玲子
写真/佐藤久
2005/12/21公開

 
 
 
宋文洲(そう・ぶんしゅう)氏
ソフトブレーン株式会社
代表取締役会長

1985年に北海道大学大学院に国費留学。
天安門事件で帰国を断念し、札幌の会社に就職するが、すぐに倒産。
学生時代に開発した土木解析ソフトの販売を始め、92年28歳の時にソフトブレーンを創業。
日本企業を数多く訪問するうち、その非製造部門の非効率性を痛感。
1998年に営業など非製造部門の効率改善のためのソフト開発とコンサルティング事業を始めた。
2000年12月に東証マザーズに上場。
成人後に来日した外国人では初のケースとなる。
2004年経済界大賞・青年経営者賞を受賞。
2005年6月1日には東証1部上場を果たし、業界最大手に成長。

営業改革を訴えた著書『やっぱり変だよ日本の営業』は、トヨタ自動車の張富士夫社長(現・副会長)自身が購入し、営業系の役員を中心に配布。
7万部に迫るベストセラー&ロングセラーに。
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自らの存在意義や目的を見直す時期にきている

──宋さんは日本で起業家として活躍する一方、日本企業の仕組みや経営者の考え方がおかしいのではないかというメッセージを発信してこられました。最近の日本企業を眺めると、昔と変化はありますか?

宋文洲氏  
宋文洲氏

宋文洲氏:  だいぶ変化が見られるのではないでしょうか。少なくとも半分くらいの企業はここ数年で大きく変わりましたよね。僕は、『日本企業はここがダメなんだ』というメッセージを5、6年も前から言い続けてきているのですが、最近ようやくまともに話を聞いてもらえるようになってきました(笑)。

 5年前は「あなたみたいな外国人に何が分かるか」と言われ、誰も話を聞いてくれませんでしたよ。僕が書いた本が売れるようになってきたのは、多くの経営者やビジネスマンの意識が変化してきたからだと思います。なぜなら人って、表紙を見て「自分が考えているとおりだ」と思う本しか手にとらないし、買わないものでしょう(笑)?「中国人が日本の悪口を言っている」という程度では本は売れません。



──『やっぱり変だよ日本の営業』『ニッポン型上司が会社を滅ぼす!』といった書籍の中で宋さんは一貫して、日本企業における古い慣習や、営業や経営に対する強烈なアンチテーゼを述べられています。

宋:  僕は、「日本型」ではなく「ニッポン型」という言い方をあえてしています。「ニッポン型」というのは、「これこそ日本型だ」とずっと誤解されているような考え方や仕組みをイメージしています。

  宋文洲氏
宋文洲氏

 例えば、「終身雇用こそ日本型の雇用制度だ」と言われますが、僕に言わせればそれは誤解ですよ。戦前の日本は終身雇用ではなかったし、今後もあり得ないからです。

 ある大企業の社長は「当社では競争のある終身雇用を導入していますから、条件によっては給料が下がることもある」と仰いました。しかし言い換えれば、「給料を下げても社員でいたければいればいい。給料が下がるのがイヤなら辞めなさい」というメッセージにもとれます。それは明らかに、従来の日本における年功序列を前提とした終身雇用とは異なります。

 そもそも終身雇用とは何を目的として生まれて、どのような条件のことを指して、今現在個人に対してどのようなメリットがあるのか、といったことを問いかけてみると、実は“日本型”と果たして呼べるのかどうか分からない。日本が戦後復興するために一時的に導入された仕組みであって、今現在の状況においても個人に対してメリットを与えているとは思えないんです。

 終身雇用だけでなく、ほかの仕組みについても同じことが言えるでしょう。この辺で企業も国も組織も、一体何のために存在するのか、何のためにそれをやるのかといった存在意義や目的を自ら問いかけなおすべき時にきているのではないでしょうか。そして、自分たちが経済や社会のために、今後どのくらいの利益を正しく出すかということを定量化して、可視化して、人に説明していく。その上で、役割を果たしていないと考えるなら解散するとか制度を取りやめるといった決断も一つの方法だし、社会貢献ではないかと思います。意義も意味も分からないのにただ続けているということが一番よくない。




 
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