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連載コラム 鈴木貴博氏コラム「ビジネスを考える目」

 新連載の本コラム「ビジネスを考える目」は、コンサルタントの鈴木 貴博氏(百年コンサルティング 代表取締役)。鈴木氏が、日常生活 や仕事の場面で気づいたちょっとした「ビジネスのヒント」を毎週紹 介してもらう。携帯電話からユニクロまで、「消費者」と「ビジネス」 のちょうど中間に立った視点で、日本のビジネスをじっと見つめて、 考えるコラム。

2008/4/9公開

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ビジネスマンに必須のニュース番組を、どうやって見る?

 ニュース番組「ワールドビジネスサテライト」を、いつ、どのように見るか。

 それはこの10年間、僕にとっての課題だった。

 ご存じの方も多いと思うが、この「ワールドビジネスサテライト」というのは、テレビ東京系列などで夜11時から放映されているビジネスニュース番組である。視聴率は4〜5%程度とそれほど高いわけではないが、ことビジネスエグゼクティブに関していえば、見ている人は非常に多い。

 以前、広告代理店の方に聞いたところでは、ワールドビジネスサテライトはいわゆる“大企業の部長クラス”に情報を送ろうとした場合、最も効率の良いメディア番組であるらしい。したがって視聴率のいかんにかかわらず、この番組のスポンサーになるのは行列待ちで、非常に難しいという。

 そういうわけで、同じ“大企業の部長クラス”を仕事相手にしている僕にとって、この番組は見逃せないものなのだ。

 また、僕は、ビジネスに関する情報ソースとしては、映像が1番いいと考えている。新聞などの文字情報も短時間で大量の情報を取得するには効率的で有用だが、映像は視覚から入る大量の付加的意味情報を得ることができる点で優れている。

 もっと簡単にいえば、「百聞は一見にしかず」ということである。自分が普段行かない場所で起きている出来事や、これまでにはなかったビジネスなど、自分が直接、触れたことのないもの、知識のないものについては特に、映像を目にすることが最もパワフルな理解方法になる。

 もっとも、ニュース番組で使われる映像は、一度、報道する側の“フィルター”を通して加工されたものである。それはあくまで事実の“断片”であり、真実がそのまま放送されているわけではない。

 1つの事象を「良いニュース」として伝えるか「悪いニュース」として伝えるかは、作り手の意図によって“主観的”に組み立てられる。その意味で、客観性に欠ける点があることには注意が必要だ。

 しかし、それでもなお、映像の断片からは、作り手の意図を超えた、“真の姿”が情報として漏れ伝わるのも事実である。

通勤

 ベストセラーとなった『バカの壁』の著者・養老孟司先生が、その著書の中で書かれたエピソードに、こんな話がある。

 医学生に出産のシーンの映像を見せたときのこと、同じ映像を見ても男子学生は「ああ、こんなもんだな」程度の感想しか持たないのに対し、女子学生は出産という出来事について実に様々な情報を映像の中から感じ取ることができる。「将来、自分も出産を経験するのだ」という当事者の視点が、同じ映像を見せても理解力の差を生み出すのだ。

 このように、映像というものは、見方次第で得られる情報の量や深さが実に大きく違ってくる。

 これと同じような現象は、ビジネスにかかわる映像でも起きる。

 僕のようなコンサルタントという経験と視点を持つ人間が、ビジネスにかかわる映像から得ることが出来る情報量は、一般のビジネスマンが同じ映像から得る情報とは確実に違う。

 たとえ映像の中でナレーターが「このビジネスは需要が伸びている」とナレーションを重ねても、本当のところはどれくらいなのか、僕の目は自然と映像の隅々を追いながら情報をつかもうとする。

 映像に映る顧客の数、バックヤードに積まれた在庫の量、コメントに答える取引先の言葉の端々……。実に色々な手掛かりが、5分、10分という短い映像から見て取れる。

 ビジネスというものは、「現場」「現物」が何よりも大事だ。「自分の目で、実際に見る」ということが、非常に重要な意味を持つ。とはいえ、日常的に立ち寄れる現場の数は限られてしまうのが現実だ。だから、質の高い報道番組のビジネス映像を見るということは、それを補う意味で、多くのビジネスマンにとって重要な習慣なのである。




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