異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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2050年への革新技術-3

第2世代バイオ燃料への挑戦
セルロース利用のカギはコスト

取材・文/岸上祐子 写真提供/農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)
2008年7月24日(木)公開
動き始めたセルロース系バイオエタノール技術

 7月1日、農林水産省がセルロース系のバイオエタノールの利活用技術確立事業を発表した。稲わらや森林資源など未利用資源を活用するためには、原料についての技術開発とともに、広く薄く存在する幅広い種類の材料を効率よく集めることにも焦点があてられる。この事業は、セルロース系エタノール製造技術について、収集・運搬からバイオエタノール変換までの実証が行われる初めてのものとなる。

 その一つ、北海道の「北海道ソフトセルロース利活用プロジェクト」は、大成建設とサッポロビールが事業主体となり、稲わらや麦わらを原料に年間で最大1040リットルのバイオエタノールの製造を見込んでいる。原料は近隣の農地1km2から収集する。集められた材料はアルカリ処理をし、発酵に移すが、ここで「糖化」→「発酵」の工程を同時に行う「同時糖化発酵」技術を用いる。コスト削減のために、残渣は、農地還元や家畜の飼料化も試みる。この秋から原料の収集を開始し、プラントに着工、来年から製造を開始する予定だ。

 昨年来の石油価格高騰をはじめ、天然ガスや石炭など、化石燃料の価格が軒並み上昇している。エネルギー資源の枯渇論が現実味を帯びてくるなか、バイオマス由来のエネルギーや再生可能エネルギーに対する期待は高まる一方だ。他方、バイオ燃料の生産は食糧とも競合する。洞爺湖サミット(主要国首脳会議)でも議題となったが、バイオ燃料の増産が、原料となるトウモロコシなどの価格高騰の原因となり、新たな危機を生んでいることも否定できない現実だ。バイオ燃料に関しては、期待と不安が混在し、混沌とした状態が続いている。

 こうしたなかで、関心が高まっているのが植物に多量に含まれるセルロースの活用だ。経済産業省が今年3月に取りまとめた「Cool Earth-エネルギー革新技術計画」。このなかには、ガソリンなどに代わる燃料として、「バイオマスからの輸送用代替燃料製造」が含まれており、そのなかでは、セルロース系のエタノール化が重要な技術として取り上げられている。
 

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