異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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2050年への革新技術-2

低炭素社会を照らす
LED・有機EL照明の挑戦

実現化に向け研究が進む有機EL

 有機ELは、発光層の膜厚が0.1ミクロン(1ミクロン=1000分の1mm)以下と、非常に薄くて軽いという特徴を生かし、薄型テレビや携帯電話の画面などとしてすでに実用化が始まっている。こうしたなかで、近年、発光効率が高まるにつれ、照明器具としての可能性にも注目が集まっている。実用化という面ではLEDに一日の長があるが、有機ELでも実用化に向けた研究が着々と進んでいる。

高演色型有機ELパネルの試作品
高演色型有機ELパネルの試作品(写真提供:松下電工)

 そうした取り組みの一つが、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による「有機発光機構を用いた高効率照明技術の開発」プロジェクトだ。これは、省エネルギー技術の開発プログラムの一環として、生活照明を代替できる有機EL照明を早急に実用化するため、高演色性の高効率有機EL照明光源の技術を確立しようというもの。さらに、この高演色性光源デバイスを低コストで実現するために、省資源型製造技術の開発もあわせて行っている。この開発は松下電工が中心となり、材料開発については出光興産が、塗布プロセス技術の開発はタツモが担っている。

 具体的な開発目標は、Ra(平均演色評価数)=90以上の演色性、電力効率(単位電力あたりの明るさ)が35ルーメン/W以上(初期の単位面積あたりの明るさが1000カンデラ/m2)で、1万時間以上の寿命というもの。2007年度から始まったこのプロジェクトのこれまでの成果は、目標に対してRaが82、電力効率が21ルーメン/W、寿命6000時間を達成した。ただし、これら3つの要件はトレードオフの関係にあり、高いレベルを同時に満たすのが難しい。NEDOの担当者は、「プロジェクトが終了する2009年度までに、これら3つの要件を同時に満たし、実用化に向けて一歩前進したい」と期待を込める。

 松下電工先行技術開発研究所の菰田卓哉技監は、「LEDに5年程度の水を開けられている有機ELが、主照明に取って代わるにはまだまだ時間がかかる。そのための研究開発を進める一方で、当面は有機EL独自の用途を開拓して認知を高められるよう、早期商品化に向けた各種技術開発を同時に進めている」と、長期的な戦略を視野に入れている。
 

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この記事の目次
2050年への革新技術-2
低炭素社会を照らす
LED・有機EL照明の挑戦

エネルギー政策 家庭部門/建築物

CO2削減技術 省エネルギー