異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

ECOマネジメントサイト終了のお知らせ
当サイトは、3月31日をもちまして終了することになりました。ご愛読いただきました皆様に感謝いたします。当サイト連載中の主要コラムにつきましては、4月以降、日経BP社の環境ポータルサイトであるECO JAPANで引き継ぎ公開いたします。
ECO JAPAN
コンテンツ
特集
リポート
インタビュー
コラム
人と自然
フロントランナー
ECOラボ

 
テーマで読み解く環境問題
温暖化国際交渉、COP16の意義
今回のテーマ
温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
関連キーワード

特集

省エネルギーを極める-4

光熱費は4割減らせる

最先端「ESCO事業」の可能性

国内に縮こまらず、アジアも視野に

 米国では公共部門でESCO事業が育っていった。日本では、民間部門で盛んになっていった。その違いは、どこにあるのだろう。

 自治体のコンペが増えるなかで、地方では、こういうケースがある。地方自治体のコンペの場合、地元の有力企業がプライドと社会貢献を意識し、儲けを度外視して仕事を受けるケースが少なくない。ところが、その事業が終わると、それで懲りてしまう。それもESCO事業が広がらない原因になっているという。

 「米国では法改正をして随意契約を認めており、連邦政府にノミネートした業者に、仕事が回るようになっている。ESCO事業は本来、手間がかかるし、リスクもとらなければいけない。競争落札するようなビジネスではない。逆に、ESCO事業で大儲けしようという発想も間違っている。売上高だけを評価軸にすると、どうしても広がらない」

 「これからは、中小企業の経営者にも総合的なエネルギー管理が求められるのではないか?」と聞くと、「大手企業もまだまだ」と、答えが返ってきた。大手企業の経営幹部には、「わが社の省エネ対策は万全だ」という思い込みがあるからだ。

 「経営者は生産現場のエネルギー管理を知らないケースがほとんど。大手だから省エネ対策ができているというのは幻想。実際に現場で調査をすれば、省エネの材料はいっぱいあり、まだまだ余地がある。一方で、経営者は普通、単純投資回収を2〜3年と考えているが、これからはCO2の削減を含めて10年がかりでコストを回収するように考え直してもらいたい」

 三菱UFJリースでは、ここに来て、ESCO事業の仕事がどんどん増えているという。

 「大規模工場からの依頼が多い。これはCO2削減の観点からではなく、原油価格高騰の影響で、省エネ対策が強化されている」

 現在のESCO事業は熱源設備の改修工事が主体で、新しい機器の導入のほうに目が行っているという。

 「ESCO事業は、適正な利益が出ればいい。現状は、熱源設備の現場で省エネ技術の改善を指導していくような現場系のESCO事業者が少なく、モノの導入だけが先になっている。できれば人間の知恵を武器にして、モノの導入だけに頼らない省エネが理想だ。日本には、優れたトップランナー制度がある。政府には省エネ法の範囲のなかで、企業にCO2削減を競わせるような新しい評価軸をつくってほしい」

 今後、ESCO事業は国内だけでも市場は拡大していく。その先には、アジアという巨大市場が見えている。中国、インド、東南アジア。日本の技術者が行くだけで、相当な省エネを実行できる。日本人技術者の頭脳とハードウエアでやるべきこと、できることはたくさんある。日本のESCO事業は、まだ揺籃期。環境ビジネスとしての可能性は、この先に大きく広がっている。
 

前ページ前ページ
 1   2   3   4   5   6 
次ページ次ページ
▲このページのトップ | HOME
松本龍・環境大臣 松本龍・環境大臣(11/02/10) NEW 環境省 地球環境審議官 南川秀樹氏 環境省 地球環境審議官 南川秀樹氏(10/09/16)
経済産業省 大臣官房審議官 有馬純氏 経済産業省 大臣官房審議官
有馬純氏(10/08/16)
ピュー気候変動センター 国際戦略部長 エリオット・ディリンジャー氏 ピュー気候変動センター 国際戦略部長
エリオット・ディリンジャー氏(10/03/25)
経済産業副大臣 増子輝彦氏 経済産業副大臣
増子輝彦氏(10/01/25)
ブレークスルー研究所 マイケル・シェレンバーガー所長、テッド・ノードハウス会長 ブレークスルー研究所
マイケル・シェレンバーガー所長
テッド・ノードハウス会長(09/12/21)
各コラムニストの掲載記事一覧をご覧いただけます  
伊藤洋一の『BRICsの衝撃』 伊藤洋一の
『BRICsの衝撃』
植田和弘の『地球温暖化防止の環境経済学』 植田和弘の
『地球温暖化防止の環境経済学』
沖大幹の『水の惑星の未来』 沖大幹の
『水の惑星の未来』
荻本和彦の『低炭素エネルギーシステムの将来像』 荻本和彦の
『低炭素エネルギーシステムの将来像』
澤昭裕の『不都合な環境政策』 澤昭裕の
『不都合な環境政策』
筒見憲三の『カーボンマネジメント講座』 筒見憲三の
『カーボンマネジメント講座』
寺島実郎の『環境経済の核心』 寺島実郎の
『環境経済の核心』
十市勉の『資源Wars』 十市勉の
『資源Wars』
鳥井弘之の『ニュースの深層』 鳥井弘之の
『ニュースの深層』
中上英俊の『暮らしとエネルギーと温暖化』 中上英俊の
『暮らしとエネルギーと温暖化』
西山孝の『資源クライシスの深層』 西山孝の
『資源クライシスの深層』
野村浩二の『ポスト京都の経済インパクト』 野村浩二の
『ポスト京都の経済インパクト』
増田寛也の『低炭素City』 増田寛也の
『低炭素City』
御園生誠の『キーテクノロジー』 御園生誠の
『キーテクノロジー』
山口光恒の『地球温暖化 日本の戦略』 山口光恒の
『地球温暖化 日本の戦略』
山根一眞の『The環業革命』 山根一眞の
『The環業革命』
山本隆三の『市場が解く? 地球温暖化』 山本隆三の
『市場が解く? 地球温暖化』
   
 
荻本和彦氏のコラム