異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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2010年のエコプロダクツ-8

社会インフラのキーデバイス?
進化止まらぬリチウムイオン電池

CO2削減と系統安定化に貢献

 三洋電機では、リチウムイオン電池をソーラーパネルや省エネ機器、さらにエネルギーコントロールシステムを組み合わせたソリューションとすることで、より大きなCO2削減を目指す。「エナジーソリューション(ES)事業」と名付けられたこの事業は、2009年11月からスタートしている。ここでは、前出の「ソーラー駐輪場」のような小規模のソリューションから、店舗などの中規模、工場などでの大規模なものまでを提供するという。高効率のソーラーパネルから蓄電池、家電などの省エネ機器、パワーコンディショナー(電力変換機器)までを手掛ける三洋電機の強みを生かした事業といえる。
 

■自社の技術・製品を総動員

エナジーソリューション(ES)事業で提供されるスマートエナジーシステム(SES)の概念図

ソーラーパネルで発電した電力をリチウムイオン電池に蓄え、エナジーコントローラーでコントロールしながら省エネ機器で効率良く使う(出所:三洋電機)
 

 大規模ソリューションの例としては、同社の加西事業所新工場「グリーンエナジーパーク」(兵庫県加西市に2010年7月竣工予定)がある。ここでは、1MW(100万W)の「HIT太陽電池(通常の結晶シリコン型よりも変換効率が高く、パネルの温度上昇による特性低下も少ないハイブリッド型の太陽電池)」と1.5MWhの大容量・高電圧リチウムイオン電池システム、そして各省エネ機器を連携制御するエネルギーマネジメントシステムを導入することで、年間約2480tの二酸化炭素(CO2)を削減できる見込みだという。

 「太陽光発電は、地球温暖化防止のキーアイテムの一つだが、蓄電池を組み合わせることで、その効果をより高めることができる」と語るのは三洋電機 エナジーソリューション事業統括部の花房寛統括部長だ。太陽光などの自然エネルギーで発電された電力は、蓄電池に蓄えておくことでピーク電力を下げることに貢献できる。実際に同社がコンビニエンスストアで行った実証実験では、太陽光発電による電力や深夜電力を蓄電池に蓄えておくことでピーク時の電力を削減し、コストカットに成功している。

 同社のES事業が目指すのは、「エネルギーの地産地消」だ。「2020年には日本国内の太陽光発電は現在の20倍に増えるといわれるが、出力の変動が大きい太陽光発電の電気が大量に送配電網に流れ込むと系統が不安定になってしまう。自宅の屋根で発電した電力は蓄えておいて自らが使えば、ピーク時の電力を抑制することもできる」と花房統括部長は話す。太陽光発電とリチウムイオン電池を活用したエネルギーの自給自足を実現することで、CO2を削減するとともに、送配電網の安定化にも寄与することができるとの考えだ。「特に日本は、メガソーラーよりも分散型の太陽光発電がメインになる。それにも、この方法は合っているはずだ」と花房統括部長は続ける。

 さらに同事業では、商船三井と三菱重工業が取り組む「自然エネルギーを利用したハイブリッド自動車船」(太陽光発電とリチウムイオン電池を活用し、停泊中はエンジンを停止する)、三菱化学が発売する「コンテナ野菜工場」(太陽光発電とリチウムイオン電池によって野菜栽培用のLED照明を点灯させる)などに、「HIT太陽電池」とリチウムイオン電池を提供するなど、事業の幅を広げている。活用シーンが広がることで、リチウムイオン電池によるCO2削減に対する貢献度も増大していくことだろう。

 今後、リチウムイオン電池市場では、大量生産が進むことによるコスト低減が進むとともに、エネルギー密度向上への要求はさらに高まり、競争は「低価格化」「高性能化」の2点を中心に進むことになりそうだ。また、さらなる効率アップやコストパフォーマンスの向上を求めて、素材分野での研究・開発競争も一層激しさを増すだろう。
 

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