異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

ECOマネジメントサイト終了のお知らせ
当サイトは、3月31日をもちまして終了することになりました。ご愛読いただきました皆様に感謝いたします。当サイト連載中の主要コラムにつきましては、4月以降、日経BP社の環境ポータルサイトであるECO JAPANで引き継ぎ公開いたします。
ECO JAPAN
コンテンツ
特集
リポート
インタビュー
コラム
人と自然
フロントランナー
ECOラボ

 
テーマで読み解く環境問題
温暖化国際交渉、COP16の意義
今回のテーマ
温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
関連キーワード

特集

日本の技術力-5

高断熱・高効率設備が続々登場

建築物に入り込む省エネ3点セット

取材・文/保屋野初子・北原まどか
2007年9月6日(木)公開
先進国と肩を並べた日本の断熱基準

 「住宅の省エネは日本の省エネ施策の根幹をなす。そのなかで最も基本的かつ有効な対策は建物の断熱性能を高めることにある」

 こう言い切るのは、東京大学大学院の坂本雄三教授だ。坂本教授は、昨年7月に経済産業省・国土交通省・環境省が有識者を集めて設置した「ロ・ハウス構想推進検討会」の委員でもある。特に住宅での省エネ対策を推し進めるために設置されたこの委員会では、(1)住宅に必要な断熱が施され、(2)高効率な設備・機器を備え、(3)太陽光や通風・換気の利用等で、健康で快適な暮らしと省エネ性・地球環境への配慮を両立させる住まいが可能である、と提言している。これらは、対策の優先順位とも言える。

 そもそも、住宅の省エネ性を高めるには、何をどうすれば効果が上がるのか。実は、家庭でいちばんエネルギーを使っているのは暖房と給湯。いわゆる熱供給で、家庭での消費エネルギーの60%近くを占めている。次に多いのが家電・照明などで30%強、厨房は8%、冷房は意外にも2%にすぎない。
 

■暖房と給湯が住宅のエネルギー消費の約6割を占める

家庭部門の用途別エネルギー構成(2005年度)

住宅の省エネは、全体の約6割を占める暖房と給湯の消費エネルギーをいかに抑えるかにかかる。欧米先進国と同水準に達した日本の断熱技術に期待がかかる(出典:資源エネルギー庁)
 

 そこで、住宅の省エネのポイントが見えてくる。熱の供給効率と、熱の出入り阻止である。いくら熱供給効率をよくしても、住宅からどんどん熱が逃げてしまっては、“穴のあいたバケツ”状態。したがって、まずは「住宅の断熱」から、というわけである。外壁や窓、屋根、床など建物の「外皮」を隙間なく断熱材で覆うことで、建物内からの熱の損失を防ぐことが第一だ。

 断熱素材や工法は、画期的な進歩を遂げている。素材はグラスウール、ロックウールのほか羊毛、コルク……古新聞(セルロースファイバー)や廃ペットボトルなどを用いたリサイクル材も登場している。これらの素材で住宅の外側を覆う「外断熱(外張り断熱)」と「内断熱(充填断熱)」がある。いずれの素材、工法とも、きっちりと隙間なく覆うことで密閉度を高め、断熱効果を上げることができる。

 新築住宅での断熱が進んだ背景には、1999年に改正された「次世代省エネ基準」がある。冷暖房用エネルギーを改正前よりも20%削減することを目標に、断熱・気密化の基準値を定めたもので、地域による気候の違いも考慮して基準値も地域区分ごとに変えている。これによって「断熱後進国」だった日本は、基準値では欧米先進国とようやく肩を並べたと言われている。
 

前ページ前ページ
 1   2   3   4 
次ページ次ページ
▲このページのトップ | HOME
松本龍・環境大臣 松本龍・環境大臣(11/02/10) NEW 環境省 地球環境審議官 南川秀樹氏 環境省 地球環境審議官 南川秀樹氏(10/09/16)
経済産業省 大臣官房審議官 有馬純氏 経済産業省 大臣官房審議官
有馬純氏(10/08/16)
ピュー気候変動センター 国際戦略部長 エリオット・ディリンジャー氏 ピュー気候変動センター 国際戦略部長
エリオット・ディリンジャー氏(10/03/25)
経済産業副大臣 増子輝彦氏 経済産業副大臣
増子輝彦氏(10/01/25)
ブレークスルー研究所 マイケル・シェレンバーガー所長、テッド・ノードハウス会長 ブレークスルー研究所
マイケル・シェレンバーガー所長
テッド・ノードハウス会長(09/12/21)
各コラムニストの掲載記事一覧をご覧いただけます  
伊藤洋一の『BRICsの衝撃』 伊藤洋一の
『BRICsの衝撃』
植田和弘の『地球温暖化防止の環境経済学』 植田和弘の
『地球温暖化防止の環境経済学』
沖大幹の『水の惑星の未来』 沖大幹の
『水の惑星の未来』
荻本和彦の『低炭素エネルギーシステムの将来像』 荻本和彦の
『低炭素エネルギーシステムの将来像』
澤昭裕の『不都合な環境政策』 澤昭裕の
『不都合な環境政策』
筒見憲三の『カーボンマネジメント講座』 筒見憲三の
『カーボンマネジメント講座』
寺島実郎の『環境経済の核心』 寺島実郎の
『環境経済の核心』
十市勉の『資源Wars』 十市勉の
『資源Wars』
鳥井弘之の『ニュースの深層』 鳥井弘之の
『ニュースの深層』
中上英俊の『暮らしとエネルギーと温暖化』 中上英俊の
『暮らしとエネルギーと温暖化』
西山孝の『資源クライシスの深層』 西山孝の
『資源クライシスの深層』
野村浩二の『ポスト京都の経済インパクト』 野村浩二の
『ポスト京都の経済インパクト』
増田寛也の『低炭素City』 増田寛也の
『低炭素City』
御園生誠の『キーテクノロジー』 御園生誠の
『キーテクノロジー』
山口光恒の『地球温暖化 日本の戦略』 山口光恒の
『地球温暖化 日本の戦略』
山根一眞の『The環業革命』 山根一眞の
『The環業革命』
山本隆三の『市場が解く? 地球温暖化』 山本隆三の
『市場が解く? 地球温暖化』
   
 
荻本和彦氏のコラム