異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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日本の技術力-5

高断熱・高効率設備が続々登場

建築物に入り込む省エネ3点セット

オフィスビルは「コージェネレーション」で温室効果ガス削減

 一方、オフィスビルのエネルギー消費の特徴は、動力・照明用が33%と最も高い割合を占めることだ。冷房の占める割合が8%と比較的大きいことも家庭用とは異なる特徴の一つ。最近のビルは特に、ガラス張り面積が大きく、冬も冷房の必要があることなどから、冷房需要が高まっている。したがって、空調用エネルギーの低減は課題となっている。

 こうしたオフィスビルのエネルギー需要の特徴を考えると、電気と熱を一緒につくる「コージェネレーション」が有効だ。ガス・コージェネレーションシステムは、ガスを使って発電すると同時に、排熱を給湯や空調、蒸気などの形で有効に活用する。電力は照明や動力に、排熱は暖房、シャワーなどにと、一石何鳥にも利用できる。ガスエンジン方式、ガスタービン方式、燃料電池方式があり、総合エネルギー効率は70〜90%にまで高まっている。ガスコージェネレーションの設置件数はここ数年で飛躍的に伸びており、2005年度では2万5000件以上に上る。飲食店、病院、福祉施設、宿泊施設など、給湯と空調の割合が高い施設での利用率が高い。
 

■省エネ政策の一つとして需要が高まるガスコージェネレーション

ガスコージェネレーションの発電設備容量と設置件数

発電時の排熱を利用した給湯や空調などに利用するガスコージェネレーションは無駄が少なく、環境にも優れ年々需要が増えている(出典:日本ガス協会ホームページ)
 

 国が力を入れているビルの省エネ対策が、ESCO事業だ。ESCO(Energy Service Company)とは、省エネルギーを企業のビジネスとして行う事業のことで、企業の光熱費の削減分が事業の財源となり、契約期間終了後の経費削減分はすべて顧客の利益となる。省エネルギーセンターの「ESCO事業導入研究会」で試算した市場規模は、業務部門・産業部門合わせて2兆4715億円。うち、業務部門は2兆475億円の投資規模があると目されている。2005年度は産業部門・業務部門合わせて497億円の省エネルギー改修工事を受注した(業務部門は79億円で全体の26%)。業務部門では、約25%の省エネルギー効率が見込まれている。

 ESCO導入の具体事例としては、オフィスビルにおいて高効率照明システム、冷却塔ファンの温度制御運転、動力インバーター制御運転、モニタリング&レポートサービスなどのほか、ショッピングセンターにおけるガスコージェネレーションの導入、ホテルにおける空調機や熱源のインバーター制御、BEMS(ビル・エネルギー・マネジメント・システム)の導入など、建物・設備からのエネルギーロス抑制、廃熱回収、設備・機器の効率向上、自然エネルギーの積極利用などが挙げられる。

 家庭、オフィスビルともに、省エネ技術が進化し、その普及に大きな期待が寄せられている一方で、機器の性能だけに頼ると、「実際の使われ方とのミスマッチを生じることもある」と指摘するのは住環境計画研究所の中上英俊所長だ。

 「たとえインバーター制御であっても、能力の大きな1台のエアコンを付け放しにするより、小さな出力を組み合わせてオン-オフを上手に切り替える方式(台数制御)の方が効率がよい例も出てきている。開発側は、実際の生活や使われ方をよく知って設計することが重要だ」と指摘する。運用面での工夫と同時に、製品開発での新たな視点が求められている。
 

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