異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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3R新時代をリードする-6

ITがリユース部品市場を拡大
EV時代に備える自動車産業

EV普及による新たな展開にも期待

 メーカー独自の取り組みを進めているのが日産自動車だ。98年より同社では、リユース部品とリビルド部品を合わせて「ニッサングリーンパーツ」という商品名で販売を開始している。解体業者が、使用済み自動車から取り外して洗浄などを行った部品を、全国15カ所の日産部品販売会社で在庫管理し、全国7エリアの日産部品販売会社31カ所を通じて供給している。

 取り扱いを始めた98年度は、年間約200万円だった「ニッサングリーンパーツ」の売上高は、2008年度には約19億6000万円まで拡大しているという。

 また今年10月、日産は住友商事と共同で、電気自動車(EV)に使用したリチウムイオンバッテリーを「再利用、再販売、再製品化、リサイクル(Reuse、 Resell、Refabricate、Recycle)」する「4R」事業の検討を開始すると発表した。日産では、2012年度までにEVの量販を開始する計画だが、EVで使用済みとなったバッテリーでも70〜80%の残存容量があるという。このリチウムイオンバッテリーを、エネルギー貯蔵のソリューションとして2次利用する事業だ。

 ここでの「4R」とは、「再利用」=高い残存容量を持つバッテリーの2次利用、「再販売」=バッテリーの多様な用途のための再販売、「再製品化」=バッテリーパックを分解しニーズに合うように再パッケージング、「リサイクル」=原材料を回収するために使用済みバッテリーをリサイクル、といった意味になる。再利用の用途としては、住宅などにおける太陽光発電との組み合わせによるエネルギー貯蔵や電力グリッドの負荷平準化、風力や太陽光発電の出力変動平滑化などが考えられる。

 同社では、2020年までに国内での再生可能バッテリーの需要が、最低でも年間でEV5万台分相当になると見込んでいる。廃棄時の環境負荷が高いバッテリーのリユースを進めることによって、自動車による環境への影響低減と、EV用バッテリーの高い残存価値の活用した事業の展開が狙いだ。2010年度に日産が発売するEV「リーフ」では、リチウムイオンバッテリーをリースまたはクレジット方式とすることで車体本体の価格を抑える考えだが、こうした事業を展開することで、バッテリーコストを低減することもできるだろう。

 中古部品業者を中心に、いわば草の根的に進められてきたリユース部品活用の取り組みは、メーカー各社に利用されるほどの拡大を見せている。ユーザーの環境意識の高まりもあり、今後はさらなる拡大が進むだろう。また、EVやプラグインハイブリッド車など電気を利用したエコカーの普及が進むことで、EV用バッテリーの2次利用などを含めたリユース事業は、今後ますます重要度が高まることが予想される。
 

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