異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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3R新時代をリードする-2

ストック型社会の形成に向けて
「長寿命化」狙う住宅業界

古材市場に活路を見い出す

 住宅業界における3Rへの取り組みは、大手メーカーばかりのものではない。解体される古民家から取り出した古材のリユースを事業化することで、資源循環の促進、CO2排出削減を進めているのがヴィンテージアイモク(松山市)だ。

古民家から得られる古材は新築住宅のアクセントとして人気
古民家から得られる古材は新築住宅のアクセントとして人気だが、丈夫な建築材であるなど実際のメリットも多い(写真提供:ヴィンテージアイモク)

 同社では、古材を買い取り、インターネットを通じて全国の顧客に販売している。古材の流通網が全くなかった2000年にこの事業をスタートさせ、古材市場の形成を目指して、徐々に材木店や工務店、解体業者などとネットワークを構築してきた。そして今では、全国136店(2009年10月末現在)のフランチャイズチェーン「古材倉庫」を展開するに至っている。

 古材倉庫の古材は、製造物責任法に基づく保証を付け、全店舗で統一された明確な査定システムで価格を決定している。そのため、民家の解体から直接かかわることを基本とし、古材の品質や履歴を査定できる「古材鑑定士」を全国の古材倉庫に置き、安心安全な古材を提供する仕組みを整えた。そして同社では、「昭和20年以前に建築された住居」または「築60年を経た住居」からの古材にこだわっている。

 「木は長い時間をかけて自然乾燥させることで強度が増す。現在の木材は、130℃近くの高温で強制的に短時間で乾燥させたものがほとんど。木材独特の弾力を失い、時の経過と共に急速に強度が落ちてしまうため耐震性にも問題が多い。しかし、自然乾燥したものなら100年はもつ」と井上幸一社長は指摘する。

 古材のメリットは耐久性だけではない。廃棄される運命にあった古材を活用することで、CO2の排出抑制効果も期待できる。木材は吸収したCO2を固定しているが、住宅が解体され、焼却処分された木材からは固定していたCO2が放出される。ヴィンテージアイモクの試算では、年間の新築住宅着工数を50万棟と仮定して、必要な建材の15%を古材にすれば、年間6000万t以上のCO2の排出抑制につながるという。

 古材の活用方法はさまざまだが、住宅に使われる場合には、天井の梁(はり)などに2〜3本、アクセントとして使われるケースが多い。以前は新築住宅に古材を使うことは嫌がられる場合もあったという。「古材が単に“古いもの”としか認識されていなかった」のだ。

 「本当に長持ちする家を作るなら、自然乾燥させた国産の木を使うのが一番」と井上社長は強調する。

 ヴィンテージアイモクが古材ビジネスに乗り出しておよそ10年。ようやく市場が形成されつつある今、当面の目標は、流通網を拡大するために古材を扱う材木店や工務店を増やすことだという。「古材市場を広げることが長持ちする住宅作りにつながり、CO2削減にも貢献する」として、来年には500店舗を目指す考えだ。

 住宅部門における3Rの推進に向けて各社の取り組みが進むなか、大きな課題の一つが流通網の整備だ。住宅ストックをいかに長期にわたって活用していくか、住まい手やサプライチェーンを巻き込んだ業界全体のマネジメント強化が求められている。
 

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