異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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新エネルギー最前線-4

新エネの主軸、バイオマス
各地に広がるバイオガス発電

取材・文・写真/北原まどか
2009年10月1日(木)公開
多岐にわたる種類と利用法

 バイオマスエネルギーは原料の種類や利用法の選択肢が非常に多く、特にポテンシャルが高い新エネルギーと目されている。経済産業省によると、2010年度において導入が可能と見込まれる新エネルギーは原油換算で1910万キロリットルだが、そのうちの80%超が廃棄物を含むバイオマス分野である。

 バイオマス資源は、林地残材や製材廃材、建築廃材、農業残さなどの「乾燥系」、食品廃棄物や下水汚泥、家畜排泄物などの「湿潤系」、黒液やセルロース、バイオ燃料の原料となる糖やでんぷん、産業食用油などに分類される。また、利用法についても、木質バイオマスをそのまま燃料にする、熱分解し液体燃料にしてバイオガス化、湿潤系原料の嫌気性発酵(メタン発酵)によるバイオガス化、好気性発酵による肥料化、そのほか、エタノール発酵によるバイオ燃料化など多彩だ。

 関係省庁も経産省、環境省、国土交通省、農林水産省と多岐にわたる。2002年には、関係省庁が連携してバイオマスの利用を推進するための具体的な取り組みや行動計画を「バイオマス・ニッポン総合戦略」として閣議決定した。そして2006年には、京都議定書の目標達成を見据え、輸送用燃料の開発など大幅なバイオマスエネルギーの導入と、各地域の特色に応じて地方自治体が策定するバイオマス利用構想である「バイオマスタウン」を、2010年度までに300地区程度にする目標を掲げている。さらに今年に入ってからは、国産の輸送用バイオ燃料の利用推進に向けた大規模実証事業が次々と始まり、9月にはバイオマス活用の基本方針と具体的な計画について定めたバイオマス活用推進基本法が施行されるなど、国の取り組みにも熱が入っている。

 しかし現在、国内に存在するバイオマス資源の多くが、エネルギーへと本格的に活用されないまま廃棄物として処分されている。特にその割合が高いのが食品廃棄物で、年間約2000万tの発生量に対し、80%が未利用である。これら食品廃棄物を始め、家畜排泄物や下水汚泥など湿潤系の廃棄物は、嫌気性発酵によってメタンを生産でき、発電や熱源として利用することができる。新エネルギー財団計画本部の窪田新一企画調査部長は、「特に食品廃棄物は量も多く、バイオガス発生量も大きい。また、既に確立された技術であるため、新エネルギーとしての活用が期待でき、温室効果ガス(GHG)削減のポテンシャルは高いだろう」と話す。

 だが、国が力を入れているのは、林地の活性化などを目的にした林地残材の利用や、国産の輸送用燃料開発の分野である。しかし、全国どこにでも存在する資源であるという意味で、食品廃棄物や下水汚泥から得られるエネルギーとしての利用法は、もっと注目されてもよい技術といえる。
 

■大きな期待がかかるバイオマス

新エネルギー導入実績と目標
供給サイドの新エネルギー
2005年度(実績)
2010年度見通し(目標ケース)
 太陽光発電 34.7  118 
 風力発電 44.2  134 
 廃棄物発電、バイオマス発電 252  586 
 太陽熱利用 61  90 
 廃棄物熱利用 149  186 
 バイオマス熱利用 142  308 ※1 
 未利用エネルギー(雪氷冷熱を含む) 4.9  5 
 黒液・廃材等 ※2 472  483 
 新エネルギー供給計 1160  1910 

 
※単位は原油換算 万キロリットル
※1 輸送用燃料におけるバイオマス由来燃料(50万キロリットル)を含む
※2 黒液、廃材等はバイオマスの一つであり、発電として利用される分を一部含む
 
長期エネルギー需給見通しによる2010年の目標ケースでは、新エネルギー全体で1910万キロリットル(原油換算)を導入するとしている。そのなかでも、バイオマス関連の数値は大きな割合を占めている(出所:経済産業省資源エネルギー庁「日本のエネルギー2008」)
 

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