異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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新エネルギー最前線-3

大きな可能性を秘めた地熱発電
法整備で日本をエネルギー大国に

取材・文/増谷茂樹 タイトル写真提供/産業技術総合研究所
2009年9月14日(月)公開
世界第3位のエネルギー資源保有国、日本

 日本が世界第3位のエネルギー資源保有国だと聞いても、にわかには信じられないかもしれない。しかし、地熱エネルギーに関しては、これは紛れもない真実だ。産業技術総合研究所(産総研)地圏資源環境研究部門地熱資源研究グループの村岡洋文研究グループ長は、「地熱資源量は、ほぼ活火山の数と相関する。火山国である日本は、圧倒的な地熱資源大国だ」と語る。推定される地熱資源量は、米国の3000万kW、インドネシアの2779万kWに続く2347万kWとされている。

 だが、日本国内の地熱発電設備容量は53万5000kWにとどまる。これは、総発電設備容量のわずか0.2%にすぎない。そしてこの数値は、世界的にみると設備容量では7位で、2008年には急伸するアイスランドにも追い抜かれている。
 

■地熱資源量では世界トップクラス

活火山数と地熱資源量の世界ランキング
国名 活火山数(個) 地熱資源量(万kW)
米国 160 3000
インドネシア 146 2779
日本 119 2347
フィリピン 47 600
メキシコ 39 600
アイスランド 33 580
ニュージーランド 20 365
イタリア 13 327

 
世界各国の活火山数と地熱資源量。日本は世界第3位の地熱資源大国であることがわかる(出所:産業技術総合研究所)
 

 近年、世界的には地熱発電容量が急伸しており、1990年には600万kW程度だった設備容量が、2007年には1000万kWを突破している。ここまで地熱発電が注目される理由の一つは、発電所から排出される二酸化炭素(CO2)が建設時を含めて考えても極めて少ないことだ。理論的には、発電時に排出されるCO2はゼロとされ、設備建設時の排出量を考慮しても1kWh当たりのCO2排出量は15gと水力発電の11.3gに次いで少ない。「実際には、くみ上げる水蒸気の中にCO2が混じっている場合もあり、それを考慮すればもう少しCO2排出量は増える可能性もあるが、それでも極めて少ない発電方法であることは間違いない」(村岡研究グループ長)。

 地熱発電のもう一つの特徴が、設備利用率の高さだ。太陽光発電や風力発電などは天候に左右されるため、年間での設備利用率は約20%程度にとどまるが、地熱発電は70%を上回る。しかも、これは法定点検のために運転をストップしている期間を含めたもので、「それがなければ90%を上回る。これは原子力発電よりも優れた数値」(村岡研究グループ長)という。設備容量では国内の総発電量の0.2%にとどまる地熱発電だが、設備利用率に優れるため、発電電力量ではその割合が0.28%にまで増加する。
 

■CO2の排出が極めて少ない地熱発電

二酸化炭素排出量の比較

発電方法ごとのCO2排出量の比較(建設時に排出されるCO2も含めたもの)。これはバイナリーサイクル方式の数値だが、蒸気フラッシュ方式も排出量は少ない(出所:産業技術総合研究所)
 

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この記事の目次
新エネルギー最前線-3
大きな可能性を秘めた地熱発電
法整備で日本をエネルギー大国に

エネルギー技術 再生可能エネルギー

エネルギー政策 日本/米国/欧州

CO2削減技術 省エネルギー