異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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「ポスト京都」への道-2

道筋みえぬトップダウンの中期目標
産業界に削減の余地はあるか

早期に削減シナリオを示せ

 部門別に見ていくと、国環研とは分析対象とする年が異なるが、 地球環境産業技術研究機構(RITE)が「エネルギー効率の国際比較(発電、鉄鋼、セメント部門)」2008年1月 で分析している。

 例えば発電部門については、化石燃料による火力発電の平均効率は、日本が約44.4%(2005年)で、先進国で1位。次いで天然ガス火力に大きくシフトした英国が約44.3%と迫る。一方、下のグラフは、2005年の各国の化石燃料発電の発電効率を基に、CO2削減ポテンシャルを示したものだ。石炭と石油による火力発電は日本の発電効率を達成し、ガス火力発電は英国の発電効率を達成する場合、各国でどれだけの削減ポテンシャルがあるかを推計している。日本が削減努力を継続するのと同時に、ほかにもより大幅な削減が期待できる国があることがわかる。
 

■各国の火力発電のエネルギー効率向上によるCO2削減ポテンシャル

各国の火力発電のエネルギー効率向上によるCO2削減ポテンシャル

(出所:地球環境産業技術研究機構システム研究グループ「エネルギー効率の国際比較」2008年1月)
 

 鉄鋼部門で比較しても、2000年の高炉における日本の粗鋼生産量当たりのエネルギー効率は日本が最も高く、2位に韓国、3位にドイツが続く。日本のエネルギー効率を達成するとした場合の、世界各国のCO2削減ポテンシャルは下のようになる。
 

■各国の鉄鋼部門におけるエネルギー効率向上によるCO2削減ポテンシャル

各国の鉄鋼部門におけるエネルギー効率向上によるCO2削減ポテンシャル

(出所:地球環境産業技術研究機構システム研究グループ「エネルギー効率の国際比較」2008年1月)
 

 長期的には、産業構造の変化による大幅な削減も期待できるだろう。しかし、これだけ産業界の削減ポテンシャルが限られるなか、11年後に迫る2020年の期限までに大幅な削減を絞り出すシナリオはどのようなものか。キャップ&トレードに頼るにしても、どの産業分野でどれだけの削減を求めていくのか。

 海外からの排出枠の調達や森林吸収源などの手段も加え、民主党は今後、12月に開く国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)よりも早期に、その削減シナリオを国民に示すべきだ。
 

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この記事の目次
「ポスト京都」への道-2
道筋みえぬトップダウンの中期目標
産業界に削減の余地はあるか

エネルギー政策 日本/米国/欧州/BRICs

国際交渉 IPCC/サミット/COP

国際協力 途上国支援/CDM/JI/排出量取引