異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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2009年のエコプロダクツ-2

開発すすむ燃料電池二輪
四輪よりも2ケタ安い?

取材・文/増谷茂樹 タイトル写真提供/スズキ
2009年1月15日(木)公開
完成度の高さに自信を深めるスズキ

 一台数千万円ともいわれる燃料電池車。普通の人にはちょっと手が出ない価格だ。だが、あきらめるにはまだ早い。燃料電池二輪なら燃料電池四輪よりもはるかに低コストで生産できるため、販売価格を抑えて、多くのユーザーへの普及が期待できるためだ。

 スズキでは、「東京モーターショー2007」に出展した燃料電池二輪車のコンセプトモデル「クロスケージ」のプレス向け試乗会を2008年に入って実施。ショーモデルの姿そのままのテスト車両で、多くの報道関係者がテストコースを試走した。

 「燃料電池を搭載したテスト車両の試乗会ということで厳戒態勢を予想していたのか、私たちメーカー側のスタッフが無造作に操作していることに驚いた方々もいたようです」と語るのは、スズキの第二パワートレイン設計部 部品設計課の太田徹課長。無造作にシステムを作動させ、試乗者に手渡すことができたのは、それだけシステムの安定性、安全性に自信があったことの裏返しだという。「クロスケージ」のプロジェクトがスタートしたのは2005年のことだが、わずか3年でこれだけ完成度の高いテスト車両を作り出すことができた理由はどこにあるのだろうか。

英インテリジェントエナジー社製の燃料電池
英インテリジェントエナジー社製の燃料電池。冷却方式が空冷式のため、余計な補機類がいらずコンパクトなサイズになっている(写真提供:スズキ)

 「スズキでは、ゼネラル・モーターズ(GM)と共同で燃料電池車を開発しており、さらにはモーターで走る電動二輪車も手掛けていたことから、ベースとなる技術があったことが大きい」とは、二輪技術本部 二輪エンジン設計部第四課の三留崇史課長の弁。電動二輪車に対して燃料電池二輪車の優れている点は、「同じ車格であれば、数倍のエネルギーを積めること」と三留課長は続ける。二輪車に限らず電動車は、航続距離を延ばそうとバッテリーの搭載量を可能な限り増やし、一方でモーターなどの消費電力を抑える。そのため、車格に対して最低限の動力性能に設定せざるを得ないという問題を抱える。その点、燃料電池を搭載すればエネルギー量がバッテリー駆動に比べて余裕があるため、ある程度の航続距離を確保しながら、動力性能も満足させることができる。

 また、英インテリジェントエナジー社のコンパクトな空冷燃料電池システムが出現したことも、「クロスケージ」の開発を進めるきっかけになった。ノートパソコンを二つ並べた程度の大きさというこの燃料電池システムは、「実物を見るまでは、そんなにコンパクトにできるか疑問だったほど」(三留課長)。空冷式にすることで冷却システムを排したことが、コンパクト化のポイントだ。このシステムと出会ったことで、「これならば、小型の二輪車に搭載できるかもしれないと計画が大きく進んだ」(太田課長)と語る。
 

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