異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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2009年のエコプロダクツ-2

開発すすむ燃料電池二輪
四輪よりも2ケタ安い?

「クロスケージ」普及のシナリオ
スズキ「クロスケージ」
スズキ「クロスケージ」。燃料電池システムに加えて、二次電池としてリチウムイオン電池を内蔵するため、安定した電力制御が可能だ(写真提供:スズキ)

 あらゆる可能性を秘めた「クロスケージ」だが、市販化に向けた一番の課題は車両コストであると、太田・三留両氏は口をそろえる。現段階で量産化した場合の想定価格は「大型バイクが買えるほど」とのことで、おそらくは100万円前後であると予想される。原付一種のスポーツタイプの車両が25万円程度で買えることを考えると、実に4倍にあたる価格だ。この価格のなかで大きな部分を占めているのがリチウムイオン電池と水素タンクである。補機類のないシンプルな構成と大きな出力を狙っていないため、燃料電池本体の価格はそれらに比べれば低いという。それでも、価格に占める比率の高い3部品はいずれも社外品であり、自社の努力だけではコスト削減は難しいのが現状だ。

 それでも、四輪の燃料電池車に比べると2ケタ近い安さは、普及に向けたハードルが低いともいえる。「燃料電池車の普及に向けた一番の課題はコストだとも言われますが、その点ではコストの低い二輪車から普及を進めていくという考え方もあると思います。最近では、家庭用燃料電池も登場していますし、小さい規模から燃料電池の普及が進む可能性もあるのではないでしょうか。二輪車であれば水素インフラも小規模なもので事足りますし、ローカルな枠組みで試してから全国に広げるという段階も踏みやすいと考えます」(三留課長)。

 例えば、副生水素を生み出す工場の周辺で、通勤用の二輪車を中心に燃料電池車の普及を進めるというシナリオや、すでに存在する水素ステーションの周辺の団地などから普及させるという方法などが考えられる。買い物など近所の移動用に用いられることの多い小型の二輪車ならば、限られた地域内での試みであってもユーザーを増やせる可能性があるだろう。

 「まずは試作車ができた段階で、今後どう育てていくかは、まだ模索中」と三留課長は語るが、すでにいくつかのアイデアはあるようだ。「燃料電池二輪車とガソリン二輪車は必ずしも競合するとは限らない」と語るのは太田課長。「趣味の乗り物である大型のガソリン二輪車は週末の遠出に使用し、普段の通勤や買い物などには燃料電池二輪車を使用するという使い分けも考えられます」と続けるが、これはガソリン二輪車を自動車と置き換えても同じであろう。近所の買い物や通勤など、それほどの航続距離を必要としない用途に燃料電池二輪車を活用することができれば、運輸部門全体でのCO2を削減することができる。
 

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