異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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低炭素時代めざす物流革命-5

整い始めた物流革命の基盤
高まる鉄道貨物輸送の潜在力

コストとCO2の削減はロジスティクスの両輪

 キヤノンは「ビッグエコライナー31」以外にも、積荷に合わせてさまざまな貨物コンテナを使用し、部品や原材料の輸送でも積極的にモーダルシフトを推進している。現在、500km以上の距離の製品輸送に関しては、その約7割を鉄道と海運で賄っているという。

 モーダルシフトの推進のための取り組みは、新型コンテナの開発にとどまらない。積載効率を向上させるための梱包材の改良もその一つ。カートリッジなどの梱包材は、かつては発泡スチロールを使用していたが、その後発泡スチロールよりも薄い紙系の素材「パルプモールド」に切り替わり、現在では、さらに製品をコンパクトに梱包できる「エアーシェル」を使用している。こうした作業と並行して、倉庫などの物流拠点を、鉄道貨物駅により近い場所に配置転換するなどして、物流効率の向上を図っている。こうした一つひとつの努力が、モーダルシフト推進、環境負荷の軽減に寄与しているのである。

 2002年と2007年を比較すると、鉄道による貨物輸送量は物量ベースで約6倍に増加したという。その結果、キヤノンの国内物流によるCO2排出量売上原単位は、2000年を100とすると2007年には76にまで減少した。2007年に限って言えば、大型トラック約8450台分の貨物量のモーダルシフトを推進し、3840tのCO2削減効果を挙げたという。
 

■積極的にモーダルシフトを進めるキャノン

キヤノンの国内物流におけるCO2削減量の推移

モーダルシフトの推進により、キヤノンの物流におけるCO2抑制効果は着実に上がっている。鉄道だけでなく、船舶の利用による効果も見逃せない(出所:キヤノン「サステナビリティ報告書 2008」より)
 

 モーダルシフトを推進するうえで、企業として一番気になる点は、やはりコストだろう。この点について竹谷氏は、「コストとCO2削減は、当社のロジスティクスの両輪。経済活動である以上、基本的にコストに見合うかたちでモーダルシフトを推進してきた」と語る。コストに見合うかたちで環境対策を推進することが、企業活動の重要な要素の一つであるということだ。

 竹谷氏は、「温暖化対策は世界的な課題でもあり、モーダルシフトはこれからも進んでいくし、進めなければならないと思う。キヤノンでも、まだ進める余地は残っている。大切なことは、企業としてモーダルシフトを推進するのだという確固とした方針を決めること、そして、コスト対策なども含め、さまざまな課題に愚直に取り組んでいくことだ」と語る。産業界が、今後、どのようにモーダルシフトに取り組むべきか、キヤノンのこれまでの歩みに、そのヒントが隠されている。
 

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