異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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低炭素時代めざす物流革命-1

自動車革命担う神奈川県
EV導入で世界をリード

取材・文・写真/北原まどか
2008年9月11日(木)公開
神奈川県による大胆なEV施策

 もし、市価300万円で売られている電気自動車(EV)を、半額の150万円ほどで購入できるとしたら?

 これは、神奈川県が打ち出している「かながわ電気自動車普及推進方策」の目玉「EVイニシアティブかながわ」で取り上げたEV導入優遇策の一例。軽乗用車ベースのEVの想定価格が約300万円であるのに対し、国からの補助は約100万円と見込まれている。そこへ、さらに県が50万円程度の補助を行うというわけだ。そのほか、自動車取得税や自動車税も90%を減額し、購入時に約3万円の負担を軽減できる。ガソリンに代わって電気で走るEVは燃料代も安いことから、一般に100万円程度の軽自動車の価格と比べたEV購入時の費用増加分は、約5年で回収できる計算となる。県は、このほかにも、県内のインターチェンジを起終点にしてETC(自動料金収受システム)を使用する場合に限り、高速道路料金の50%のキャッシュバックが受けられることや、県直営あるいは所管の有料駐車場の一部で50%程度の料金割引を受けることができるなど、EV利用者に手厚い優遇策を用意する考え。これらの優遇策は、2009年度から実施予定だ。

 神奈川県は今年3月、「2014年度までに、県内で3000台のEVの普及をめざす」との目標を掲げ、「かながわ電気自動車普及推進方策」を打ち出した。EVは走行時の二酸化炭素(CO2)排出量がゼロ。発電する際の排出量を考慮しても、ガソリン車の4分の1、ハイブリッド車の2分の1以下となる。2006年における日本の部門別温室効果ガス(GHG)排出量をみると、運輸部門は19.9%。「地球温暖化防止や石油依存度の低減に取り組むうえで、“究極のエコカー”であるEVの普及は切り札の一つ」と、神奈川県環境農政部の杉江嘉美電気自動車担当課長は話す。

 実は、この「EV普及推進方策」は、松沢成文・神奈川県知事の肝いりの政策だ。県では、今年度中に「地球温暖化対策推進条例」の制定をめざしているが、それとは別に、今年1月、条例の制定を待つことなく、低炭素社会に向けた取り組みを積極的に発信するための「クールネッサンス宣言」を知事自らが発表した。宣言では、「太陽光発電普及拡大プロジェクト」や「神奈川県独自の炭素税等プロジェクト」など、11のリーディング・プロジェクトを掲げた。そのなかでも、EV普及推進方策は、「県の取り組みを全国に発信することにより、CO2の大幅削減など自動車社会の大変革を促す」(松沢知事)と、率先して日本の交通のあり方を変革する意気込みを示すメニューとなっている。

 神奈川県環境農政部の伊藤靖志地球温暖化対策課長は、「京都議定書の目標達成が困難と見られるなか、今までと同じような取り組みではCO2を削減に持っていくことは難しい。条例制定の前でも、やれることに率先して取り組み、企業や県民に積極的にアピールしていきたい」と話す。
 

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この記事の目次
低炭素時代めざす物流革命-1
自動車革命担う神奈川県
EV導入で世界をリード

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