異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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IPCC報告の衝撃-1

3万件のデータが導き出した
「最悪のシナリオ」

温暖化で潤う地域はもはやどこにもない

 このような議論の応酬がクローズアップされ、多くのメディアが「悪影響の具体的な予測数値が一部の国の反対で削られた」、「科学が政治によってゆがめられた」などと報道したが、原沢領域長は「そのような捉え方は一面的過ぎる。SPMは政策決定者のための要約なので、科学者がまとめた内容を政策決定者に十分伝えられるかがポイント。そのため、文面やそれを裏付ける科学的知見について各国から多くの意見が出た。重要なのは、このように議論を戦わせることで、それによって共通の基盤に立つことができる」と指摘する。

 そのうえで、原沢領域長は、「今回のSPMはすべての国が承認した。米国にしても、温暖化が起こっているということを前提条件に、対策を進めることになる。この報告書は政策決定者が寄って立つ科学的基盤になる」と、SPMが全会一致で承認されたことの意義を強調する。

 第1作業部会の報告書は、数多くの信頼できる観測データから、温暖化発生の事実を示すとともに、社会や経済のトレンドを組み込んだ六つのシナリオごとに長期の気候変動の予測を打ち出した。今回発表された第2作業部会の報告書は、現実に起きている温暖化の影響を挙げるとともに、平均気温の上昇が2〜3℃以上の場合はどの地域においても悪影響を受けると述べている。これまでは温暖化によって恩恵を受ける地域があると考えられてきたが、実は全世界で取り組まなければならない課題だと改めて指摘したわけだ。


環境省による第4次評価報告書の公表ページ。各作業部会の報告書をPDFでダウンロードできる
http://www.env.go.jp/earth/ipcc/ 4th_rep.html
原沢領域長は、「ビジネスリーダーたちには、ぜひ今回の報告書を読んでほしい」と訴える。従来、温暖化の影響は途上国が深刻だと予測されていたが、2003年の欧州熱波、2005年のハリケーンカトリーナによる被害は、先進国においても予想外に大きな被害がでる可能性を示している。温暖化が進むにつれ、その発生リスクが高まることは確実だ。温暖化を防止するために、京都議定書の目標達成はもちろん、低炭素社会への変革、温暖化の影響を軽減できる適応策など、産業界の主導的取組みを期待したい。

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