異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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IPCC報告の衝撃-1

3万件のデータが導き出した
「最悪のシナリオ」

〜自然と社会を脅かす温暖化の深刻な影響〜
文/村上朝子(ECOマネジメント取材班)
2007年4月20日(金)公開
2万9000件のデータから温暖化の影響を実証

 平均気温の上昇が1.5〜2℃を超えると、生物種の20〜30%は絶滅の危機に瀕し、2〜3℃を超えて上昇すると、毎年洪水被害に遭う人が数百万人にのぼる―。ベルギーの首都ブリュッセルで4月6日に採択された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書は、地球温暖化の進展に対して深刻な予測を提示し、世界各国の指導者に対して大きな警鐘を鳴らした。温暖化対策の実施は、もはや一刻の猶予も許されない状況だ。

 IPCCには三つの作業部会があるが、今回採択されたのは第2作業部会の第4次評価報告書。第1作業部会の役割は、気候システムと気候変化の自然科学的根拠についての評価。今年2月に公表された報告書では、21世紀末までに平均気温が最大で6.4℃上昇するとの予測を出し、世界中に衝撃を与えた。これに対し、第2作業部会は、気候変化が社会経済や自然システムに及ぼす影響と気候変化の適応策について評価を行う。そして、5月に報告書の公表を予定している第3作業部会では、温室効果ガスの排出削減など気候変化の緩和策についての評価・検討を行う。

 今回の第2作業部会の報告書では、まず、温暖化の影響がすでに世界各地に現れていると指摘。2001年に公表された第3次評価報告書が、「温暖化の影響が地域ごとに部分的に出始めている」としていたのに対し、第4次評価報告書ではより確信を持って、「気候変化が世界中の地域の自然と社会に影響を与えていることが明らかになった」としている。

 国立環境研究所地球環境センター温暖化リスク評価研究室の高橋潔主任研究員は、「今回注目すべきことは、観測の事例が増え、温暖化の影響が間違いなく起きていると自信を持って述べていることだ」と話す。

 評価の基になったのは、世界で実施された577研究から提供された約8万件のデータ群から選ばれた2万9000件に及ぶデータ群だ。観測されたデータのうち、物理環境については765件の観測事例の94%、生物環境については2万8671件の観測事例の90%において、温暖化の影響が現れているとしている。

沿岸域

洪水被害人口が毎年数百万人増える恐れも(政策決定者向け要約の環境省仮約をもとに作成)

生態系

最大で30%の生物種が絶滅する危険が…(政策決定者向け要約の環境省仮約をもとに作成)

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