異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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ナショナル ジオグラフィック・スペシャル

シリーズ「21世紀の実像」

NATIONAL GEOGRAPHIC 日本語版
NATIONAL GEOGRAPHIC 日本語版

近代化に向けて爆走する
インドの高速道路[後編]

ナショナル ジオグラフィック日本版 2008年10月号
(表紙写真=ジョージ・スタインメッツ)
文=ドン・ベルト
2008年10月2日(木)公開
「GQ」沿いの工場が生み出す“生態系”

 タミル・セルバンは29歳。「黄金の四角形(GQ)」と呼ばれる新しい高速道路のおかげで人生が変わった。インド南部タミルナードゥ州の村で育ったセルバンは、父親の自転車に乗って数km離れた大きい村の学校に通えるようになったのだ。その後、近くの町の技術訓練校で学び、現在は州都チェンナイにある韓国の自動車メーカー、現代(ヒュンダイ)自動車の工場で働いている。GQがなかったら、いまごろまだ、村でココナツ栽培をしていたことだろう。GQ沿いに建つ工場で主任技術者を務めるセルバンは、組み立てラインに乗って流れてくる金属製の車体を点検し、傷があれば補修する。一つの工程にかかる時間は平均64秒。完成した自動車は、塗装と仕上げを施され、トラックに積まれる。

 トラックに積まれた自動車は、GQを通ってチェンナイの港に運ばれ、世界中に出荷されていく。セルバンはこの仕事に就いて10年になるが、いまでも感慨にふけることがあるという。熱を込めてこう語ってくれた。

 「ここでつくっている自動車の一生を想像してみてください。厳しい気候や悪路に耐えながら、世界中の道を走る。そんな車がここから出発するんです」

 2.16km2の更地だったこの場所に、1998年、ヒュンダイは工場を建設した。セルバンは工場の開設時に採用された一人だ。従業員は現在5400人。質の高い労働力が認められ、インドは新たな製造拠点として、世界中から注目を集めるようになった。

 同社をはじめとするGQ沿いの工場は、それぞれの“生態系”をつくりあげている。つまり、大きな工場で細かな部品などの需要が発生すると、起業精神の旺盛なインド人が近隣に会社を設立して請け負うのだ。たとえば、ヒュンダイの工場の周辺には83社の中小企業があり、フロントガラスや留め具、ヘッドライト、バックミラーなどの部品を製造している。さらに、これらの中小企業で生じた需要に対して、トラック輸送や倉庫保管、事務処理、物流支援などを請け負う企業が、また登場する。
 

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