米国はこれまで、気候変動問題に関して“世界の足かせ”になってきました。米国人として、政府の言動や実行の欠如には、とても恥ずかしい思いをしてきました。しかし、新たな大統領の下では大きな変化を期待できるだろうと感じています。
最右翼と言われた気候変動法案「リーバーマン・ウォーナー法案」は今年、議会を通過しませんでしたが、民主党の大統領候補であるバラク・オバマ上院議員は、自分が政権を取れば、気候変動法案を通過させるという強い声明を出しています。共和党の大統領候補であるジョン・マケイン上院議員も、気候変動問題に真剣に取り組むことを宣言しています。私の見るところでは、どちらかと言えば、オバマ上院議員の方がより強力に取り組む姿勢を見せていますが、どちらが大統領になっても、現政権よりは気候変動問題に真剣に取り組むことになるでしょう。
新政権には、二つの作業が必要になります。一つは国内の対策推進であり、もう一つは国際交渉上の合意です。これは私の予想ですが、気候変動問題を解決するために新政権は新しい組織をつくるのではないでしょうか。この組織は、国際交渉を担当する特別ユニットであり、その交渉結果を国内で推進する役割をもつことになるでしょう。もう一つ、米環境保護局(EPA)の昇格が考えられます。より大きな権限を持たせるためには、EPA長官を閣僚レベルの地位にする必要があると思います。
現実を直視するならば、現時点では、米議会には気候変動対策を強力に進めようという推進派が少数派になっています。米国が、より積極的な対応が取れるようになるかどうかは、実際は2009年の選挙にかかっています。ここで、環境問題に関心の高い上院議員や下院議員が増え、議会を制することができるようになるかがポイントです。ただし、その点で私は悲観していません。今回の大統領選と同様、議会でも大きな変化が起こるだろうと見ています。