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温暖化国際交渉、COP16の意義
フロントランナー
最前線の挑戦者たち
省エネ大賞“常連”エアコン
封印した技術が息吹き返す
2003年夏の某日、夕刻。富士市内のやや高級な割烹(かっぽう)料理店に5人はいた。開発の“打ち上げ会”である。地元の名物である桜エビのかき揚げなど、ご馳走が次々と運ばれる。
ビールで乾杯し、笑い声が飽和し、刺身の大皿は空になった。だが、しばらくすると静かな時間が訪れる。5人の中には、感涙する人もいた。やり抜いた者、達成を果たした者のみが許される、特別な時間だった。
もちろん、2004年モデルだけでデュアル搭載機が販売中止になることも、2009年モデルから復活していくことも、この時は誰も想像はしていなかったのだが。
2008年6月。佐藤雄彦は、部下の女性エンジニアからたしなめられていた。
「電球1個っていう表現では、ダメですよ。技術屋の発想です。消費者の目線に合わせなければ、どんなに良い技術でも買ってもらえません」
女性エンジニアは、いわゆるアラフォーの主婦だ。
「そうかぁ、じゃあどうすればいいんだ」
「エアコンですから、扇風機はどうかしら。電球よりは、連想しやすいでしょう」
「確かに。しかし、扇風機の消費電力はどの程度なのだろう。種類もたくさんあるだろうが、電球と同じく1時間1円に相当する45ワットが理想なんだが」
「わかりました。私、帰りにヤマダ電機に寄って、それらしいのを買ってきます。明日、実験室で計測してみましょう」
「悪いねぇ、そうしてくれるか。助かるよ。ウチは、訴え方があまり上手ではないようだな」
「2004年のデュアルを搭載した大清快には、エコランプがありました。あの時代では、エコという表現は、どうだったかしら。消費者にとって」
「いまなら、エコは当たり前だが、ウチはどうしても早すぎるようだな」
女性エンジニアは扇風機を購入。翌日計測すると、電球と同じ45Whだった。この日を境に、「電球並み」という表現は「扇風機並み」に変わった。
2009年11月30日の発売に向け、デュアルを搭載した「大清快UDR」の開発は、佳境へと入っていく。

さて、家庭用エアコンの国内市場規模は年間で700万台前後。ビールと並ぶ夏場商品であり、夏が暑いかどうかで売れ行きは左右される。2009年度は冷夏に見舞われたため、前年度より10%程出荷台数は落ちて670万台強だったと見られる。
商戦は毎年、5月から本格的に始まり、ピークの6月、7月に続く。筆者は5月15日、土曜日の午後、JR高崎駅東口にあるヤマダ電機本社を併設する「ヤマダ電機LAB1高崎」を訪ねた。1階の入り口から入ってすぐにエアコン売り場がある。晴天の週末だけに、結構、混んでいた。高級機種である「大清快UDR」は、エアコン売り場のほぼ中央に展示してあった。
しかも、「4.0kWクラス人気NO. 1」と手書きの宣伝文句が付けられていた(4.0kWは主に14畳用)。ちなみに、「同人気NO. 2」はパナソニックの「エアロボXシリーズ」。販売員がやってきて、「大清快UDR」の売価は、店頭表示よりも6000円安い「19万円です」と話していった。一方、「エアロボ」は20万円。販売員は、大清快の1シリンダーによる省エネ運転について簡潔に説明してくれた。
大規模店1店舗だけではすう勢は読めないが、とりあえず「大清快UDR」の立ち上がりはそう悪くはないようだ。いずれにせよ、エアコン商戦は、今年も本番を迎えていく。


永井 隆 氏
(ながい たかし)
ジャーナリスト
1958年生まれ。群馬県桐生市出身。明治大学経営学部卒業。東京タイムズ社経済部で記者をしていた。1992年8月、販売不振から同紙が突如休刊し、失業を経験。その後はフリージャーナリストとして活躍。
著書は『人事と出世の方程式』(日本経済新聞出版社)をはじめ、『技術屋たちの熱き闘い』(日本経済新聞社)、『技術屋たちのブレークスルー』(プレジデント社)、『「軽」ウォーズ戦陣訓』(同)、『現場力』(PHP研究所)、『敗れざるサラリーマンたち』(講談社)、『ビール最終戦争』(日本経済新聞社)、『ビール15年戦争』(同)、『リストラに克った』(同)、『一身上の都合』(ソフトバンク クリエイティブ)、『「人事破壊」後』(徳間書店)、『得な資格 損な資格』(廣済堂出版)など多数。本連載の一部は『国産エコ技術の突破力!』(技術評論社)として、2009年10月1日に出版。
1998年2月から日刊現代にて酒のコラム『グラスの中の経済学』を連載中。2005年から明治大学が発行する雑誌『明治』編集委員。
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松本龍・環境大臣(11/02/10) NEW | ![]() |
環境省 地球環境審議官 南川秀樹氏(10/09/16) |
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経済産業省 大臣官房審議官 有馬純氏(10/08/16) |
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ピュー気候変動センター 国際戦略部長 エリオット・ディリンジャー氏(10/03/25) |
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経済産業副大臣 増子輝彦氏(10/01/25) |
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ブレークスルー研究所 マイケル・シェレンバーガー所長 テッド・ノードハウス会長(09/12/21) |


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