異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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日本コカ・コーラ「い・ろ・は・す」[前編]

発売後半年で2億本のメガヒット
「環境は売れない」の常識を覆す

日本コカ・コーラ
ウォーターカテゴリー統括部長
福江晋二
写真・文/永井隆
2010年1月28日(木)公開
ヒットの確率は“セン・イチ”

 2009年5月19日の夜。会社に近い恵比寿の瀟洒(しょうしゃ)なレストラン。約20人が祝宴を上げていたが、特に若い3人のテーブルは、異様な盛り上がりを醸(かも)していた。

 と言うのも、3人がほぼ1年間かけて開発したミネラルウォーターの新商品が、この前日、発売されたからである。

 新商品の名前は「い・ろ・は・す」。3人は日本コカ・コーラの社員。プロジェクトリーダーである福江晋二は統括部長の肩書きだが、1968年生まれ。流行(はやり)言葉で表すと、まだ“アラ・フォー”の若さである。また、2人のメンバーはともに30代の男女だ。

 商品化までは、“嵐の道”だった。背水の陣で臨み、この日を迎える。特に、福江は、ある決心を、内に秘めていた。妻には打ち明けていたが、会社では誰にも話していない。

 「もう一度乾杯しましょう、『い・ろ・は・す』に。環境を訴えて成功する、初めての商品になるのですから。(消費者調査の)スコアだってすごく高い。必ずヒットします」

 女性メンバーを中心に、3人は再び杯を重ねる。もう何度目かは分からない。成功、ヒット、そして乾杯と、みなが呪文のように同じ言葉を繰り返す。3人以外は、商品化にかかわった社内外の人たちだった。

 商品化された当日の打ち上げで、当事者たちの気持ちがハイになるのは当たり前だろう。だが、単純に上梓(じょうし)したという事実に対する喜びだけで、盛り上がっているわけでもなかった。

 この日から始まっている新しい事実に対する不安と恐怖とを、3人は認識していたためだ。

 ミネラルウォーターをはじめとする清涼飲料の新商品がヒットする確率は、”セン・ミツ”、最近では”セン・イチ”と呼ばれている。つまり、発売される1000の新商品に対し、ヒットするのは三つ、さらには一つしかないという意味である。

 新商品は、1カ月か場合によっては1週間で店頭から消えていってしまうのだった。残るのは、千に一つのヒット商品だけ。

 デフレの進行に伴い、最近では大手流通から発売される安価なPB(プライベート・ブランド)が幅を利かせていて、メーカーが投入するNB(ナショナル・ブランド)の新商品の売り上げを阻んでいる傾向は強い。スーパーにせよ、コンビニにせよ、陳列棚や冷蔵ショーケースの大きさはあらかじめ決まっている。そこに、次々と新商品がなだれ込む構図だ。

 特に「い・ろ・は・す」の場合、「おいしい」とともに、「環境にいい」を全面的に押し出した初めての清涼飲料だ。環境が販売に直結した前例はなかった。

 清涼飲料だけではなく、消費者向け商品全体においてもである。
 

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この記事の目次
日本コカ・コーラ「い・ろ・は・す」[前編]
発売後半年で2億本のメガヒット
「環境は売れない」の常識を覆す

CO2削減技術 省エネルギー

エネルギー消費 家庭部門