異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

ECOマネジメントサイト終了のお知らせ
当サイトは、3月31日をもちまして終了することになりました。ご愛読いただきました皆様に感謝いたします。当サイト連載中の主要コラムにつきましては、4月以降、日経BP社の環境ポータルサイトであるECO JAPANで引き継ぎ公開いたします。
ECO JAPAN
コンテンツ
特集
リポート
インタビュー
コラム
人と自然
フロントランナー
ECOラボ

 
テーマで読み解く環境問題
温暖化国際交渉、COP16の意義
今回のテーマ
温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
関連キーワード

フロントランナー

最前線の挑戦者たち

三洋電機「エネループ」[後編]

運を天にまかせる決断
ヒットの影に徹底した顧客志向

三洋電機 トワイセル技術部部長
田所幹朗
写真・文/永井隆
2009年3月30日(月)公開
仕様が絞り切れないまま量産試作

 「困るんですよね。この期に及んで、量産試作を2つの仕様で並行してやっているなんて。前例がありません。少しは、私たち営業のことも考えていただきたい」

 「そうなんですが……」

 「田所さん、仕様が決まらなきゃプロモーションもできません。そもそも2仕様にするほど、重要なことなんですか。充電池でしょ」

 「簡単におっしゃいますが、われわれ技術屋にとっては大変な選択なんです。現に、ここにいる泉などは、寝ずに実証実験を繰り返しているのです」

 「努力は認めます。しかし、今日はあえて言わせていただきます。これまでも、エンジニアが自分たちの思いだけでつくってしまった『何だこれ』という商品に、営業は何度も泣かされてきました。今回は、『Think GAIA』製品の第一弾なんですよ」

 「私たち技術屋は、決して自己満足を目的にやっているわけではない。お客さんだけを見て、開発してきたのです。もう少しだけ待って下さい」

 「そもそも、ウチに限らず、イノベーションは必ずしも収益には結びつかない」

 「ひどい言い方じゃないですか!」

 「事実ですよ」

 この日も会議は、核心部分で平行線をたどる。そして、ケンカとなる。いつものことだった。開発も営業も「成功させなければならない」と強く思っていた。しかも、「従来にはない新機軸の商品を」である。

 商品化は佳境を迎え、誰もが高揚していた。前人未踏の高嶺に挑む、アタック隊のように。高揚から皆ナーバスになり、衝突は半ば日常化していた。

 「本当ならば、もっとていねいに開発できたのに。第一弾商品になったばかりに、お尻(発売日)が決められてしまった」。田所チームの誰かが、悲鳴を上げる。その通りだった。しかし、もう後戻りはできない。

 最大の問題は、2つの仕様で量産試作を続けている点にあった。プロジェクトリーダーの田所もメンバーたちも、どちらを採用すべきか決めかねていたのである。
 

前ページ前ページ
 1   2   3   4   5   6 
次ページ次ページ
▲このページのトップ | HOME
松本龍・環境大臣 松本龍・環境大臣(11/02/10) NEW 環境省 地球環境審議官 南川秀樹氏 環境省 地球環境審議官 南川秀樹氏(10/09/16)
経済産業省 大臣官房審議官 有馬純氏 経済産業省 大臣官房審議官
有馬純氏(10/08/16)
ピュー気候変動センター 国際戦略部長 エリオット・ディリンジャー氏 ピュー気候変動センター 国際戦略部長
エリオット・ディリンジャー氏(10/03/25)
経済産業副大臣 増子輝彦氏 経済産業副大臣
増子輝彦氏(10/01/25)
ブレークスルー研究所 マイケル・シェレンバーガー所長、テッド・ノードハウス会長 ブレークスルー研究所
マイケル・シェレンバーガー所長
テッド・ノードハウス会長(09/12/21)
各コラムニストの掲載記事一覧をご覧いただけます  
伊藤洋一の『BRICsの衝撃』 伊藤洋一の
『BRICsの衝撃』
植田和弘の『地球温暖化防止の環境経済学』 植田和弘の
『地球温暖化防止の環境経済学』
沖大幹の『水の惑星の未来』 沖大幹の
『水の惑星の未来』
荻本和彦の『低炭素エネルギーシステムの将来像』 荻本和彦の
『低炭素エネルギーシステムの将来像』
澤昭裕の『不都合な環境政策』 澤昭裕の
『不都合な環境政策』
筒見憲三の『カーボンマネジメント講座』 筒見憲三の
『カーボンマネジメント講座』
寺島実郎の『環境経済の核心』 寺島実郎の
『環境経済の核心』
十市勉の『資源Wars』 十市勉の
『資源Wars』
鳥井弘之の『ニュースの深層』 鳥井弘之の
『ニュースの深層』
中上英俊の『暮らしとエネルギーと温暖化』 中上英俊の
『暮らしとエネルギーと温暖化』
西山孝の『資源クライシスの深層』 西山孝の
『資源クライシスの深層』
野村浩二の『ポスト京都の経済インパクト』 野村浩二の
『ポスト京都の経済インパクト』
増田寛也の『低炭素City』 増田寛也の
『低炭素City』
御園生誠の『キーテクノロジー』 御園生誠の
『キーテクノロジー』
山口光恒の『地球温暖化 日本の戦略』 山口光恒の
『地球温暖化 日本の戦略』
山根一眞の『The環業革命』 山根一眞の
『The環業革命』
山本隆三の『市場が解く? 地球温暖化』 山本隆三の
『市場が解く? 地球温暖化』
   
 
荻本和彦氏のコラム