異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
今回のテーマ
温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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2020年の主役を追う

マグネシウムサイクルを目指して[後編]

フレネルレンズが輝く
「マグネシウム農場」は実現するか

矢部孝・東京工業大学教授
写真と文/喜多充成
2007年8月27日(月)公開
太陽を追尾するためのフレームワーク

 東京工業大学の矢部孝教授が社長を務める大学発ベンチャー、エレクトラ(東京都世田谷区)は7月、千歳科学技術大学と地元自治体の協力を得て、「太陽光励起レーザー」の実証実験施設を千歳市に開設した。時にはF-15の訓練飛行も見られる北海道の、大きな空から降り注ぐ無尽蔵の太陽光エネルギーを、地上に豊富に存在する金属元素に封じ込めて流通させ利用する「マグネシウムサイクル」に向けての第一歩である。

 後編ではこの実証実験装置と関連技術を写真で紹介しながら、そのディテールに込められた「思い」をくみ取ってみることにしたい。
 

キャンパス
千歳空港にほど近いキャンパスの一角で、実証実験が行われている
 
F-15J
翼端から霧の尾を引く、航空自衛隊千歳基地の戦闘機「F-15J」
 
 
*  *  *
 

 まず重要なのは「カタチ」だ。恐竜の化石の「カタチ」は、その生息状況に迫る手がかりを与えてくれるし、機械ならば、それをどう動かそうとしたかという設計者の意図が「カタチ」に現れる。

 今回の実証実験では、3基の集光装置を2タイプのフレームに装着し、性能テストを行っている。正確な追尾機構は、太陽光“濃縮”のトータルの効率を上げるために不可欠。

 そしてフレーム構造の違いは、そのまま太陽追尾機構の違いでもある。

 千歳の開所式のデモンストレーションでステンレス板を溶かして参列者の拍手と歓声を誘った装置は「U字型」のフレームで集光装置が支えられた構造だ。
 

ひまわり
実績ある太陽光採光装置「ひまわり」の、U字型のフレームと太陽追尾のための駆動制御装置を借用した
 
集光装置
集光装置
集光装置を振り子のように動かし、上下角(仰角)を設定
 

 U字のフレーム全体が首を振るように水平に回転し、先端の集光装置が上下に動くことで太陽を追尾する機構だ。大型パラボラアンテナやパワーショベル、艦砲などにも見られるこのカタチは、天体望遠鏡では「経緯台式」と呼ばれ、重量物を精密制御するうえで非常にポピュラーな方式である。
 

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