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ECOラボ
2020年の主役を追う
太陽光を濃縮し、
無尽蔵のエネルギー引き出す
神事に続く装置のお披露目では、ちょっとワクワクするようなデモンストレーションが参列者を釘付けにした。

2m角の平面レンズによる集光装置が、追尾機構のフレームに載せられている。この他、別のタイプのフレームに装着された集光装置が2基ある
取り出したのは何の変哲もないステンレスの板。その一端をペンチではさみ、集光装置の焦点にもっていく。日光の覆いを取り外すと、まばゆい光が板の表面に集中し、あっという間に白煙が。1分を経ず取り外し、まだ煙を放つ板を高くかざすと、板にはクレーターのような黒い焼けこげ。そして中央に、青空が透けて見える! 太陽の熱がステンレスを溶融させ、板に穴を開けてしまったのだ。




誰しも経験があるに違いない、雑誌の付録の小さなレンズで紙を焦がしたり、虫メガネで虫を焼いたりしたことが。もっと大きなレンズを使うとどうなるのかと思っていたが、レンズ面積を4m2(1m角のフレネルレンズ×4枚)にスケールアップすると、これほどのことが起きてしまうのだ。実証実験の成功を予感し、祝賀会場は拍手と歓声に沸いた。
鉄を溶かすほどに集光された太陽光、これを熱源として利用するのでなく、もう一段“濃縮”するためにレーザー光に変換するのがこの装置のミソである。
焦点に置かれた、茶筒ほどの円柱形のケース「レーザー発振部」に太陽光を導き、その内部にある直径1cm弱の千歳飴のような「レーザー媒質」に当てる。するとレーザー媒質の内部で、クロム、ニオブ、イットリウム、アルミニウムなどの元素が量子力学的に相互作用を及ぼし合い「波長と位相の揃った光」すなわちレーザー光が発生するのである。

絞り混んだレーザー光を真空容器の中で、酸化マグネシウム(MgO)に照射すると、元素間の強固な結合が外れ、金属マグネシウム(Mg)が産生する。化学反応でいうと「還元」、鉱業でいう「製錬」の工程に相当するプロセスだ。
太陽光をレンズで集光しても、焦点の温度を太陽表面の温度(約6000℃)以上に上げることは不可能だが、いったんレーザー光に変換して絞り込むことで、マグネシウムの還元を可能にするほどの高いエネルギー状態(2万℃に相当)が実現する。鉱工業的に複雑なプロセスや特殊な触媒を必要としていた製錬が、これで一気に完了してしまうわけだ。


太陽光を濃縮し、無尽蔵のエネルギー引き出す
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