異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

山根一眞の『The環業革命』

山根式エコハウスの挑戦-1

エコと防災は表裏一体
「ライフラインを確保せよ!」

2008年10月20日(月)公開
いまだ続く、エコハウスへの挑戦

 2000年に一戸建て住宅を新築した。

 COP3(国連気候変動枠組条約第3回締約国会議)の京都会議の3年後のことで、少しでも自然エネルギーを取り入れて化石燃料の消費を減らしたいという思いから、私なりの「エコ住宅」の実験を行うことにした。だが2000年当時、一般の温暖化対策への関心はきわめて小さく、新聞記事にも「温暖化」の見出しを見ることは、まだほとんどなかった。「21世紀初頭には登場する」と言われ、期待していた家庭用の燃料電池もまだ未登場で我が家には間に合わず、使える家庭用のエコ装置もきわめて少なかった。

 そのため、雨水やソーラー発電、電気など十数人の専門家に集まってもらい、さまざまな知恵を駆使して手作り同然の「エコ住宅」を作りあげた。

 この家に住みながら多くの問題点も経験。毎年のように改造や設備の増設を繰り返し、「エコ住宅」とは何かを、今も身をもって(身銭をきって)体験している。

 そこで、私の経験が「エコ住宅」を考える一助になればと考え、数回にわたり、その報告を行おうと思う。

 
*  *  *
 

 我が「エコ実験住宅」では、実は、ぜひ実現したかった「エコ」ではない大きな目的があった。「防災機能」だ。1995年1月、阪神・淡路大震災の現場取材で身に滲みて実感したのが、水や電力などライフラインの機能の途絶だった。とりわけ、断水による生活の支障は大きかった。トイレで流す水が途絶えたためだろう、小さな公園の公衆便所のどの便器内にも大便が山盛りとなっていたシーンが脳裏に焼き付いている。

12万3000棟が全半壊した阪神淡路大震災を現地取材
12万3000棟が全半壊した阪神・淡路大震災を現地取材
山根一眞の『The環業革命』写真館へ

 東京に大地震が襲来した後には、トイレはマンホールを使う方法が準備されている。マンホールの蓋を開け、周囲を囲い、直接、下水に排尿、排便をするのである。だが、それがどこででも実現するとは限らないだろう。断水していてもわずかな水があれば、自宅のトイレを使うことが可能のはず。また入浴は無理としても、体を存分に拭うだけの水、食器や簡単な洗濯のための水くらいは自前で確保しておきたいと思ったのである。

 東京には必ず巨大地震が見舞う。阪神・淡路大震災を教訓に、その備えをしておかなければという思いがエコ対策よりも強かったのである。今、私たちは迫り来る危機として「温暖化」にしか目が向かなくなっている。だが、温暖化はこれからの50年、100年じわじわと進んでいく危機だが、巨大地震は、今日、襲来してもおかしくない、差し迫った危機であることを忘れてはいけない。
 

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