異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

山根一眞の『The環業革命』

山根式エコハウスの挑戦-1

エコと防災は表裏一体
「ライフラインを確保せよ!」

冷熱源を井戸水で確保する仕組み

 「シンシンブロック」は、ビール瓶をおさめるケースのようなかたちをした箱「プラスチック貯留材(シンシンブロック)」の呼称だ。一般住宅用の工法では、まず、水槽容量分の穴を掘削し、シート類(遮水シート、透水シート、保護シート)を敷きつめる。この穴にびっしりと「シンシンブロック」を並べ、深さに合わせて積み上げる。そして、上部もシート類でくるむように密封する。ブロックは幅360mm×奥行き360mm×高さ260mmというサイズで、中心部に「円柱」がある。1個あたり1tの耐荷重性能を持つため、上に自動車を駐車することもできる。ブロック本体の素材はポリプロピレンで、使用後のリサイクルもできる。シート類は100年間の耐久性があり、工事はきわめて簡単で迅速。その上を土で覆えば樹木も育成できるというのである。

 私は容量4.5tでの施工を依頼したが、工事は庭の掘削は別として、たった1日で終了したのには驚いた。

 災害発生時には、この貯水槽の水を近隣の方々にも利用していただけるよう、道路と庭を仕切っている壁を横移動して開放する仕掛け工事も行っている。

 シンシンブロックの採用を検討するとともに、私は井戸を掘りたいとも考えていた。私の地元の小、中学校では、災害に備えて井戸の設置が増えていたが、私の自宅でも水が出るだろうか……。近所であれこれ聞いて歩いたところ、この地域には豊富な地下水脈があるらしいことがわかった。武蔵野台地の縁の部分に当たるためのようだが、井戸は掘ってみなければ、水が出るか否かがわからないのだという。

 実は、井戸の掘削を決めたのは、災害時の水の確保だけではなく、冷房用の冷熱源として夏でも水温が低い井戸水を使う案が出たためでもあった。家庭で使われている電気エネルギーでは、冷暖房が約4分の1を占めている。井戸水の利用は、それを削減できるのではないか。

 そのアイデアをもたらしてくれたのが、優しく冷やし暖める理想的な放射冷暖房システム「ピーエス」の存在を知ったからだ。「ピーエス」の工場の一つでもある岩手県の施設を訪ねて感動、ここで冷熱源としての井戸水の利用という案が出たのである。

 岩手で見た冷暖房システムは、私のエアコンに対する考えを根底から覆すものだった。
 

山根 一眞 氏
鉄
環業革命
山根 一眞 氏 (やまね かずま)
ノンフィクション作家
 

1947年10月12日、東京都中野区生まれ。獨協大学外国語学部ドイツ語学科卒業。著書に、『メタルカラー烈伝トヨタ世界一時代の日本力』、最新刊『メタルカラー烈伝鉄』など『メタルカラーの時代』シリーズの単行本と文庫本(小学館)は21冊を数える。『環業革命』(講談社)は10年にわたる取材成果をまとめた。その他、『アマゾン入門』、『東京のそうじ』、『デジタル産業革命』、『山根一眞の素朴な疑問』、『賢者のデジタル』など。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)嘱託、同宇宙科学研究本部客員教授、生物多様性戦略検討会委員(農林水産省)、日本生態系協会理事、北九州マイスター選考委員、日本経済新聞社「ものづくり大賞」選考委員、NTTドコモアドバイザリーボード(社外取締役)、講談社出版文化賞科学出版賞審査委員、大宅壮一文庫評議員。2001年北九州博覧祭「ものづくりメタルカラー館」、2005年日本国際博覧会・愛知県2館、国民文化祭ふくい2005の各総合プロデューサー、中央教育審議会専門委員(文部科学省)などを歴任。日本文藝家協会会員。

●山根事務所
(http://www.yamane-office.co.jp/)

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