異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

山根一眞の『The環業革命』

日本と日本企業の評価を高める[後編]

“環境経済省”を新たに設立
温暖化対策を経済振興の柱に

2008年10月2日(木)公開
あっけなかった麻生総理の国連演説

 麻生政権の発足で、日本の温暖化対策はダイナミックな展開を見せるのだろうか?

 2008年9月24日、自ら閣僚発表を行った麻生太郎総理大臣は、斉藤鉄夫環境大臣(公明党)を紹介しながら、地球温暖化について台風の上陸回数を引き合いに出してその対策の重要性を訴えた。

 「今年、台風がまだ1度も上陸していない。こんなことは過去に例がない。4年前は9回上陸、平均3回。何となく異常だなと感じていらっしゃる方も多いと思いますが……」

 えっ?と思った。4年前の2004年の台風上陸回数は9回ではなく10回だったからだ。「台風が1度も本土に上陸していないのは過去に例がない」も、大きな間違いだ。1960年〜2007年の47年間で上陸回数がゼロの年は、1984年、1986年、2000年と3回あり、たった1回だけの年も6回ある。温暖化による海水温上昇で水蒸気の供給が増えるため降雨量が増えることは事実だが、台風の上陸数に影響するという話は聞いたことがなかった。気象庁のウェブサイトでもこう解説している。

台風の上陸回数と温暖化の因果関係は、依然として明確ではない
台風の上陸回数と温暖化の因果関係は、依然として明確ではない
山根一眞の『The環業革命』写真館へ

 「台風については、発生数や接近数、上陸数に明瞭な増減傾向はなく、現時点では、発生数や接近数、上陸数についての地球温暖化との関連性は明らかになっていません」(気象庁)

 自信に溢れた口調の麻生総理だが、事実誤認はよろしくない。

 翌日の第63回国連総会での一般討論演説でも、温暖化について触れている。

 「GDP1単位を生み出すのに必要なエネルギーの少なさにかけて、世界のトップを行くのは日本であります。背後には、それを可能にした技術の独創がある。大いに、世界に使ってほしいものです」

 この発言はなかなかだったが、温暖化問題に関する部分は全スピーチのわずか7%にすぎなかった(日本語テキスト約4900文字のうち352文字)。温暖化対策を経済振興の柱にできる、する、といった、ダイナミックで具体的な提案をしてほしかった。
 

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