異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

山根一眞の『The環業革命』

日本の明かりを変えるために[中編]

温暖化問題での日本の貢献
技術力で「サプライズ」を

2008年8月21日(木)公開
消えてしまったのか? 環境省の全LED化構想

 前回の「日本の明かりを変えるために[前編] LED普及への山根試案 政府は5000億円用意せよ!」は、荒っぽい提案ではあるが、多くの賛同や激励のご意見をいただいた。

 それらの意見を読みながら、温暖化対策のために具体的な何かを強力に進めねばならないが、「国は何とも生ぬるいと」感じている方の多いことがうかがえた。LED照明に関する技術や製品開発に取り組んでいるメーカーの方からの意見も少なからずあったが、各社とも、「温暖化対策のために社会が求めている仕事」と信じてはいるものの、国が本気にならないために元気を失いかけていることも感じられた。

 では、国は、温暖化対策の一環として「全照明のLED化」を検討したことはないのだろうか。実は、かなり具体的なシナリオを描いていたのである。

 一般家庭の「全照明のLED化」は、2002年度から始まった「中核的温暖化対策技術検討会」(環境省)で、「民生・運輸部門における中核的温暖化対策技術」として取り上げ、2006年度には、それまでの内容の再検討も行われ、実現のための詳細なシナリオが描かれている( 詳細はこちら )。

LED照明
LED照明の歴史は、せいぜい10年だが、ここで一気に世界に普及させたい
山根一眞の『The環業革命』写真館へ

 このシナリオはきわめて具体的で、実現すれば画期的な施策になる内容だが、この報告書が発表されてすでに1年5カ月、「全照明のLED化」について、一般国民にメッセージが出された気配はない。この報告書が政策責任者への答申であるならば、それを受け止めたのは当時の安倍晋三首相のはずだが、昨年のドイツでのハイリゲンダム・サミットの直前にあわててまとめたと思われる温暖化対策構想、「美しい星50」にも「全照明のLED化」は書かれていない。もちろん、2007年6月のサミットでもその提案はなく、構想の披露もしていない。「美しい星50」で触れているのは、省エネ機器の利用促進のひとつとして「電球型蛍光灯」を取り上げているだけだ。そして9月26日、あの前代未聞の政権放り投げ辞任……。この報告書のシナリオも放り投げられてしまったかのようだ。

 安倍首相の後を継いだ福田康夫首相は、北海道洞爺湖サミットを前にした2008年6月、日本記者クラブで行った『「低炭素社会・日本」をめざして』のスピーチの中で、やはり、「2012年を目指し全ての白熱電球の省エネ電球への切り替えを進める」と述べているだけで、「全照明のLED化」の構想は口にしていない。「中核的温暖化対策技術検討会」の提言はとても力のある内容だが、単なる過去の書類として消えてしまったのか。
 

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