異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

山根一眞の『The環業革命』

日本の明かりを変えるために[中編]

温暖化問題での日本の貢献
技術力で「サプライズ」を

人々が期待した「サプライズ」とは

 北京オリンピックが猛暑のピークを選んで開催されたのは、開会式を2008年8月8日午後8時8分(2008-8-8-8-8)と、中国人が縁起がよいとして好む「8」のゾロ目の日時にしたかったからだが、この縁起かつぎが冷房による電力需要の増大、つまり、石炭火力によるCO2の大量排出をもたらす結果となったことは確実だ。北京五輪は石炭温暖化五輪だった……。

 もちろん、オリンピックに限らず冷房はますます必要になる。となれば、そのエネルギー源に化石燃料を使わないというイノベーションを日本は起こすべきで、起こせるはずだ。

 猛暑の「熱」を貴重なエネルギーだととらえれば、その熱を巧みに利用しようという知恵がわく。そんな技術はあるのか……。実は、ある。

 太陽熱利用の冷房装置の基礎研究は幅広く行われているが、2008年8月7日に『nikkei BPnet』が伝えた「太陽熱で冷房!三菱樹脂などが開発した次世代型冷凍機 」は、実現が近いと思わせる技術の一つ。暖房も太陽熱利用で行えば、冷暖房という、きわめて多くのエネルギーを必要とするシステムをCO2フリーで実現できることにもなる。日本が世界に示す「サプライズ」とは、こういうことのはずだ。

 もっとも、こういうイノベーションを支援する政策では、これまでは、国がいささかの補助金を出すだけというケースが多かった。しかし、それだけでは、画期的なイノベーションは大きくは進まない。そこで、「2010年には日本の全家庭の冷暖房は太陽熱中心で行う」という強力な決断を下し、そのために必要な資金の確保や技術開発の促進、システム構築を進めれば、間違いなく、イノベーションは猛烈に進むだろう。

 北海道洞爺湖サミットで人々が期待していた「サプライズ」は、そのようなものだったのではないか。

 「民生・運輸部門における中核的温暖化対策技術」での提案を化石化させることなく、さらに強力な味付けをして2010年に「全照明のLED化」を目指す心意気を見せてほしいと思う。
 

山根 一眞 氏
 
日本力
 
環業革命
山根 一眞 氏 (やまね かずま)
ノンフィクション作家
 

1947年10月12日、東京都中野区生まれ。獨協大学外国語学部ドイツ語学科卒業。著書に、最新刊『メタルカラー烈伝日本力』など『メタルカラーの時代』シリーズの単行本と文庫本(小学館)は合計20冊を数える。『環業革命』(講談社)は10年にわたる取材成果をまとめた。その他、『アマゾン入門』、『東京のそうじ』、『モバイル書斎の遊戯術』、『デジタル産業革命』、『山根一眞の素朴な疑問』など。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)嘱託、同宇宙科学研究本部客員教授、中央教育審議会専門委員(文部科学省)、生物多様性戦略検討会委員(農林水産省)、日本生態系協会理事、青森県アドバイザー、北九州マイスター選考委員、日本経済新聞社「ものづくり大賞」選考委員、NTTドコモアドバイザリーボード(社外取締役)、講談社出版文化賞科学出版賞審査委員。日本エコツーリズム協会、国際技能工芸機構、共用品推進機構、インターネット協会、日本聴導犬協会、大宅壮一文庫などの各評議員。2001年北九州博覧祭北九州市出展「ものづくりメタルカラー館」プロデューサー、2005年日本国際博覧会・愛知県総合プロデューサー、国民文化祭ふくい2005・総合プロデューサーなどを歴任。日本文藝家協会会員。

●山根事務所 (http://www.yamane-office.co.jp/)

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