異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

山根一眞の『The環業革命』

日本の明かりを変えるために[前編]

LED普及への山根試案
政府は5000億円用意せよ!

21世紀最大のプロジェクトに
電球形蛍光灯の工夫
電球形蛍光灯の工夫も大したもの。外周のガラスを蛍光管の先の柔らかな樹脂のクッションで支えていることを発見
山根一眞の『The環業革命』写真館へ

 全家庭のLED化では、電球の交換だけではすまないだろう。照明器具の交換が必要なケースも多々出てくる。その交換出費は、LEDの寿命である10年を上限とする無利子の分割払い制度を設ける。照明器具に10万円がかかったとしても、月830円の負担ですむ。5000万世帯が平均で10万円の照明器具を購入するとなると総額は5兆円だ。照明器具にはデザイン性や嗜好性が求められるので、多くの企業やデザイナーの参入を促し、デザイン性の優れた製品の開発を促進させる。

 全世帯に対する製品の無償交換プロジェクトは、かつて都市ガス企業が天然ガス転換で行った経験がある。これは戦後最大のプロジェクトと呼ばれたが、実に緻密な計画によって事故ひとつなく成し遂げられた。全世帯のLED化でもそのノウハウが活かせるはずだ。

 無償交換や特別措置で家庭に配布した製品が海外に転売されるなどの違法行為も必ず起こる。そこで全製品にICタグをつけるなどの流出、転売禁止対策をとる。

 この思いきった施策により、国内のLEDランプや照明器具のイノベーションと生産はさらに大きな弾みがつき、日本のLED製品の国際競争力は増し、世界の市場を席巻する。それはやがて、大きな外貨獲得源となり、5000億円の投資は遠からず回収できる。世界ではこの日本方式を採用する国が続き、対温暖化政策で弱腰と評価されてきた日本の名誉挽回も果たせる……。

 これは私の白日夢にすぎないが、やっと世に出た40Wの電球形LEDランプを手にすると、こんな夢やプランが、どんどんわいてきた。これぞ「環業革命」だ、と。もっとも、「5000億円で全家庭のLED化」の実現よりも、こういう思いきった、世界に率先する温暖化政策を取れる政権誕生の実現のほうが、はるかに難しいかも……。
 

山根 一眞 氏
鉄
環業革命
山根 一眞 氏 (やまね かずま)
ノンフィクション作家
 

1947年10月12日、東京都中野区生まれ。獨協大学外国語学部ドイツ語学科卒業。著書に、『メタルカラー烈伝トヨタ世界一時代の日本力』、最新刊『メタルカラー烈伝鉄』など『メタルカラーの時代』シリーズの単行本と文庫本(小学館)は21冊を数える。『環業革命』(講談社)は10年にわたる取材成果をまとめた。その他、『アマゾン入門』、『東京のそうじ』、『デジタル産業革命』、『山根一眞の素朴な疑問』、『賢者のデジタル』など。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)嘱託、同宇宙科学研究本部客員教授、生物多様性戦略検討会委員(農林水産省)、日本生態系協会理事、北九州マイスター選考委員、日本経済新聞社「ものづくり大賞」選考委員、NTTドコモアドバイザリーボード(社外取締役)、講談社出版文化賞科学出版賞審査委員、大宅壮一文庫評議員。2001年北九州博覧祭「ものづくりメタルカラー館」、2005年日本国際博覧会・愛知県2館、国民文化祭ふくい2005の各総合プロデューサー、中央教育審議会専門委員(文部科学省)などを歴任。日本文藝家協会会員。

●山根事務所
(http://www.yamane-office.co.jp/)

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