異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

山口光恒の『地球温暖化 日本の戦略』

再論、日本の中期目標[前編]

高い限界削減費用に一定の理解
欧米で評価された麻生中期目標

2009年9月28日(月)公開
「1990年比25%削減」の重み

 9月22日の国連気候変動首脳会合(気候変動サミット)にて鳩山由紀夫新首相は、日本の新たな中期目標として「米中を含むすべての主要国の参加による意欲的な目標の合意を前提」としたうえで、「2020年の温室効果ガス排出量を1990年比25%削減することを我が国の国際社会への約束とする」ことを宣言した。条件付きとはいえ、政権交代を世界に印象付ける最高の場での宣言であった。

 この宣言の内容を見ると、ある程度、専門家の意見を聞いた跡は見えるが、官僚の進言を待たず、また、審議会での専門家の意見を聴取しない、まさに民主党の唱える「政治主導」を強く国民に印象付けた演出であった。国際交渉のなかでリスクを負って手の内を明かすという思い切った戦術である。筆者はこの演説が世界を動かし、主要国がこれに賛同して、鳩山首相の言う「公平かつ実効性のある国際枠組みの構築」が実現することを願うものである。しかし、その実現の見通しと日本経済に与える影響に思いを馳せるとき、この言葉のあまりの重みに震撼を禁じ得ない。

 筆者は、これに先立つ9月中旬から下旬にかけて、米国、ドイツ、英国、ベルギーに出張し、交渉責任者など政府関係者(含むホワイトハウス、欧州委員会)、議会スタッフ、アカデミア、ロビイスト、シンクタンク、経済団体、NGO(非政府組織)など幅広い人たちと意見を交換した(ドイツ、英国、欧州委員会はいずれも交渉責任者と会うことにしていたが、英国と欧州委員会に関しては同時期に開催された主要経済国フォーラムと日程が重なってしまい、面談できなかったのは残念な次第であった。)。

 本稿では、まず日本の状況に対する欧米の認識の度合い、次いで麻生太郎前政権時代の中期目標についての米欧の受け取り方について述べる。その上で、鳩山首相の提言(鳩山イニシアティブ)のうち日本の中期目標につき論じ、日本の中期目標のあり方に関する筆者の意見を述べる。またこれとは別に、ポスト京都議定書に向けた欧米の戦略とのせめぎ合いについては、できるだけ早く当連載で取り上げたいと考えている。
 

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荻本和彦氏のコラム

この記事の目次
再論、日本の中期目標[前編]
高い限界削減費用に一定の理解
欧米で評価された麻生中期目標

エネルギー政策 日本

国際交渉 COP/UNFCCC/サミット

国際協力 途上国支援/CDM/JI/排出権取引/セクター別対応