異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

山口光恒の『地球温暖化 日本の戦略』

京都議定書から何を学ぶか [前編]

予定されていた?
米国の離脱

2007年5月10日(木)公開
リアリズムの視点で京都議定書をみると…

 6月6日からドイツで開催されるG8サミット(主要国首脳会議)では温暖化問題が重要なテーマとして論議される見込みだ。新聞・雑誌・テレビなどでは温暖化問題が連日取り上げられており、内容も従来に比べ格段に分析が進み、説得力のあるものとなっている。


2008年夏のサミットの開催地は北海道・洞爺湖町に決定した。美しい自然環境以外に、テロ対策など警備のしやすさが重要視された。写真提供/(株)ザ・ウィンザー・ホテルズインターナショナル
 日本政府はこの対応に追われているが、焦点は来年日本で開催されるG8サミットである。ここでは京都議定書以降(2013年以降)の国際枠組み(ポスト京都の枠組み)について突っ込んだ議論が交わされることは必定である。こうした緊迫した状況の中で日本はどのような戦略で臨むべきか。ポイントは国益と地球益の一致である。

 京都議定書は1997年に採択され、2005年に発効した。温暖化への国際共同取り組みとして記念すべき第1歩を踏み出したのである。その内容は先進国(当時のOECD加盟国及び旧ソ連東欧諸国)に平均5.2%の排出削減義務を課したこと(期間は2008年から2012年の5年間の平均、基準年は1990年)、義務遵守を容易にするため 国際排出権取引 を含む京都メカニズムを導入したことなどである。

 日本は当時、京都会議のホスト国として決裂を回避するため譲歩を重ね、何とか上記内容で決着した。しかし、日本の譲歩はその分コスト負担の上昇となって我々の肩にのしかかっている。

 それはともかく、京都議定書は世界が具体的な目標に向けて共同して対処する初めての国際条約として高く評価できる。また、日本についても議定書目標があったからこそ国民の関心が高まり、各種対策がここまで進んできたことは間違いがない。

 とはいえ、京都議定書にも看過できない問題がある。こうした点を明らかにし、そこから教訓を学ぶことで京都議定書後の次期枠組みに生かす必要がある。以下ではまず京都議定書自体の問題点を明らかにし、続いて日本にとっての問題点(初期配分の不公平さ)に触れる。

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