異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

植田和弘の『地球温暖化防止の環境経済学』

地球温暖化防止と費用負担[中編]

環境対策費用の負担者は
汚染者か受益者か

2007年10月11日(木)公開
『国富論』まで遡る原則

 地球温暖化防止に要する費用を誰が負担すべきか、という問題を考えている。それに際して適用されるべき原則として、汚染者負担原則と並ぶ、環境費用負担におけるもう一つの主要な原則が受益者負担原則である。今回は、その受益者負担原則について考えてみたい。

 汚染者負担原則の考え方は、前回紹介したように、公正な自由貿易のための市場条件を確立するという問題関心から発想されている。そして、その条件を実現するための環境費用負担がいかにあるべきかを提示したもので、経済協力開発機構(OECD)が最初に提唱したのが1972年であることからもわかるように、比較的最近生まれたものである。

 これに対して、受益者負担原則の考え方は、課税におけるいわゆる利益説(租税を国家から受けるサービスの対価と考える学説)の適用と見なすことができる。だとすれば、その発生は古く、少なくとも『国富論』のA.スミスに遡らなければならない。

 利益原則と一口に言っても、その意味するところは提供する対象や使う場面によって異なることもあり、納税や課税における利益原則の適用についても深められるべき点は多い。だが、環境政策に関連する受益者負担原則を、「環境政策の実施に伴って発生する環境改善の便益を享受するものが、政策実施に伴う費用を負担すべきだとする原則」であると定義した場合、利益原則の適用として次の二つの考え方があり得る。
 

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