異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

鳥井弘之の『ニュースの深層』

「EV時代」のキーマテリアル
リチウム資源の将来を探る

2009年8月6日(木)公開

今回のニュース

 2009年7月24日の日本経済新聞朝刊では、「電気自動車を本格量産、三菱自と富士重」という見出しで、電気自動車(EV)の本格量産開始を報じた。この「EV時代」の幕開けに重要な役割を果たしているのが、高性能リチウムイオン電池である。

 この電池のキーマテリアルともいえるリチウムであるが、過去には資源量が心配され価格が高騰したこともあった。しかし、最近の研究では十分な量があるとされており、リサイクルや海水からの回収への期待も高まっている。低炭素社会への転換を推し進めるためにも、リチウム資源の有効利用が期待される。

エコカーのキーマテリアル、リチウム

 「三菱自動車工業と富士重工業が電気自動車の新型車を発売した。それぞれ蓄電容量が大きい高性能リチウムイオン電池を搭載し長距離走行が可能」──これは2009年7月24日の日本経済新聞朝刊の記事である。さらに、その報道から約1カ月前になる2009年6月20日の日経新聞朝刊によれば、日産自動車は米国の工場で電気自動車(EV)を一貫生産し、2012年までに最大年産能力10万台をめざすという。これらのニュースからは、本格的な「EV時代」の幕開けと見ることができる。

 もちろん、トヨタ自動車やホンダが当面の本命と考えるハイブリッド車も高性能電池は必須条件だ。さらに海外自動車メーカーも、ハイブリッド車やEVの発売を視野に入れている。これらで不可欠となるリチウムイオン電池を支えるキーマテリアルは言うまでもなくリチウムであるが、これだけ急速にリチウムイオン電池の需要が拡大すると、リチウム資源の将来が心配になってくる。

 2009年7月19日の日経新聞朝刊は、2008年の世界のリチウム生産量を2万7400t(米国地質調査所による速報値)と報じた。リチウムは炭酸塩の形で輸送するため、量の表現としては炭酸リチウム換算(LCE)の数字が用いられることが多い。1kgのリチウムは5.32kgの炭酸リチウムに相当するので、昨年の生産量をLCEで表現すると14万7400tということになる。
 

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この記事の目次
「EV時代」のキーマテリアル
リチウム資源の将来を探る

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