異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

鳥井弘之の『ニュースの深層』

地球の未来を背負った
途上国のエネルギー改革

2009年7月9日(木)公開

今回のニュース

 2009年6月11日の日本経済新聞夕刊が、「新興国などのエネルギー消費、先進国を初めて上回る」という見出しで、途上国におけるエネルギー消費の伸びを報じた。今後、途上国ではさらなる人口増加が確実視されており、各国も対策に乗り出している。

 そのなかでも高い効果が期待されているのが、自然エネルギーの拡大と省エネの普及で、2009年6月7日日経新聞朝刊では中国の風力発電増強計画を、また、2009年5月31日日経新聞朝刊では同国による省エネ計画を紹介している。

 深刻さ増すこの問題を解決するためには、途上国自身の努力はもちろんのこと、先進国によるサポートが不可欠となるだろう。

深刻さ増す途上国のエネルギー需給問題

 石油メジャーの英国BPが発表した「2009年世界エネルギー統計」によると、2008年におけるエネルギー消費量は、新興国などが先進国を初めて上回った(2009年6月11日日本経済新聞夕刊)。2008年の世界全体のエネルギー消費は前年比1.4%増の112億9490万t(石油換算)であり、経済協力開発機構(OECD)加盟国は1.3%減の55億840万tに対して、非加盟国は4.5%増加して57億8650万tだったという。

 かねてから、途上国のエネルギー消費の伸びが地球の未来を大きく左右すると考えられており、いよいよその心配が現実味を帯びてきたようである。途上国における一人あたりのエネルギー消費量は、先進国に比べればはるかに少ないとはいえ、これからの人口増加を考えれば、途上国でどれだけ自然エネルギーに切り替えることができるのか、省エネルギーが進むかが関心の的になる。そこで今回は、途上国の自然エネルギー利用と省エネに焦点を当ててみよう。

 まずは中国である。2009年6月7日の日経新聞朝刊は、2020年までに風力発電の発電能力を、現在の8倍に相当する1億kW超に増やすという中国政府の計画を紹介した。これが実現すれば、中国の電力全体に占める風力発電の比率は7%近くまで上がる(現在は1.5%)という。さらにこの記事では、2008年末の中国の風力発電能力が1221万kWで、米国、ドイツ、スペインに次ぐ世界第4位だという世界風力エネルギー協会(WWEA)のデータを紹介している。

 一方、2009年1月14日の日経産業新聞は、調査会社、富士経済(東京都中央区)による自然エネルギーに関する予測結果を報じており、2020年までにエネルギー消費に占める自然エネルギーなどの比率を15%に高めるという中国の政策を紹介し、太陽光発電は現行の12倍に相当する180万kWになるという見通しを示している。さらに、太陽光発電に関する情報としては、2010年に開催される上海世界博覧会(上海万博)の中国館の屋上に、太陽光パネルを設置するという話題もあった(2009年1月6日日経産業新聞夕刊)。

 また、中国の省エネ努力についてみると、2009年5月31日の日経新聞朝刊は、国内総生産(GDP)1単位あたりのエネルギー消費を、2020年までに2010年比で40%削減する案の検討に入ったことを伝えた。すでに中国は、2010年までに2006年比でエネルギー効率を20%削減する目標を立てている。具体的には、中国は日本と同様に省エネ家電製品の購入に対する補助金制度の導入を決めているし(2009年5月23日日経新聞朝刊)、省エネ型自動車の購入に対する補助金制度も発足させている(2009年4月22日経新聞朝刊)。
 

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この記事の目次
地球の未来を背負った
途上国のエネルギー改革

エネルギー政策 BRICs

エネルギー技術 再生可能エネルギー/水素エネルギー

CO2削減技術 省エネルギー

国際協力 途上国支援