異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

鳥井弘之の『ニュースの深層』

ゴールなき温暖化論争
より積極的な議論で解決を

2009年2月26日(木)公開

今回のニュース

 現在、地球温暖化の原因については、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)がまとめた「人為的な温室効果ガス(GHG)の増加による可能性が濃厚」との見方が主流になっている。しかしその一方で、異論や懐疑論も数多く主張されている。

 2009年2月2日の日本経済新聞朝刊では、「地球の気候、当面『寒冷化』」という見出しで、IPCCの見解に反して地球の平均気温が低下傾向にあると報じた。また、それより前の2009年1月12日の毎日新聞朝刊などでは、さまざまな主張を掲げる学者や科学者が参加し議論を展開した、エネルギー・資源学会主催の誌上討論の様子を伝えている。

 これら議論の論点として、頻繁に取り上げられる温暖化の不確実性については、将来にわたって慎重に観測していく必要がある。また、地球規模の問題解決のためにも、主流・非主流にかかわらず積極性ある科学的な議論を封殺すべきではないと考える。

終わりなき懐疑論争

 「地球の気候、当面『寒冷化』」という見出しが付いた2009年2月2日の日本経済新聞朝刊の記事を見て、意外に感じた読者も少なくないのではないだろうか。記事よれば、1970年代半ば以降、地球の平均気温はほぼ一貫して上昇してきたが、1998年をピークにその後の10年間は横ばいもしくは低下傾向にあり、2008年の気温は今世紀に入ってから最も低かったという。さらに、2000年から25年にかけて、10年あたり0.2℃のペースで気温が上昇するとしたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の見解に反し、直近の10年では0.2℃低下したという。

 さらに記事では、「二酸化炭素(CO2)などの増加によるなだらかな気温上昇に、様々な周期の自然変動による凹凸が重なって現れる」とする江守正多・国立環境研究所温暖化リスク評価研究室長の談話を紹介したうえで、気温低下の原因は「太平洋10年規模振動(PDO)」が有力であることを紹介している。このPDOとは、太平洋で数十年ごとに水温が上下する現象で、2000年前後にPDOが高温期から低温期に切り替わったという。また、前回の低温期は1970年代の半ばまで30年ほど続いたそうだ。

 IPCCの第1作業部会(自然科学的根拠)が第4次報告書を公表したのは2007年2月であった。1990年の第1次報告では「観測された温度上昇は大部分が自然変動によることもありうる」としていたのに対し、第2次、第3次と進むにしたがって、人為的要因によるものという見方を強め、第4次報告では「気温上昇の要因のほとんどが、人為による温室効果ガス(GHG)の増加による可能性がかなり高い」と位置付けた。

 この発表によって、CO2による温暖化に対する懐疑論争に決着がついたとも考えられてきた(例えば2007年2月2日朝日新聞夕刊)。しかし、依然としてIPCCの結論に対するさまざまな異論が存在しており、冒頭の記事で紹介したデータなどは懐疑論を支持するものと見る向きもある。
 

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