異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

鳥井弘之の『ニュースの深層』

京都議定書をどう守る?
EUが達成でき、日本が困難なワケ

エネルギー効率で明らかになる日本の不利

 日本が目標達成に四苦八苦しているのに、なぜEUは容易に目標達成ができるのだろうか。これを考える一つのヒントが「エネルギー効率」という考え方である。11月18日の日経新聞朝刊が、エネルギー効率に関する解説記事を掲載している。エネルギー効率は「1ドルのGDP(国内総生産)を生み出すのに使われたエネルギー消費量」と定義することができる。本コラムでも、 中国が最大のGHG排出国になったことに関する記事 でエネルギー効率の考え方を紹介しているし、 アジア太平洋経済協力会議(APEC)の声明でエネルギー効率という言葉が登場した ことにも触れている。

 そこで、基準年である1990年に、日本やEU諸国のエネルギー効率がどうであったのかを振り返ってみたい。基礎データは『世界国勢図会』(矢野恒太郎記念会編集・発行)に依った。

 まず、1990年の英国のGDPは9895億ドル、一次エネルギー供給は石油換算で2億128万tであり、エネルギー効率は0.2kg/ドルになる。ドイツのGDPは1兆6713億ドルでエネルギー供給が3億5622万t、効率は0.21 kg/ドル、同じくフランスはGDPが1兆2159億ドルでエネルギー供給が2億2728万tであるから、効率は0.19 kg/ドルである。

 これに対し、1990年の日本はGDPが3兆397億ドルあったのに対してエネルギー供給量は4億4592万t。エネルギー効率は0.15kg/ドルである。英国やドイツと比較すると約30%も効率が高いわけだ。英国やドイツが、1990年レベルから20%程度排出量を削減したとしても、GDPが大幅に増加していない限り、まだ当時の日本よりもエネルギー効率が低いという計算になる。したがって、京都議定書の目標そのものが極めてアンフェアであったために、EUの目標達成は当たり前と考えることもできる。

 ただし、このエネルギー効率という値を国際比較するには、各国のGDPを一つの通貨に換算せざるを得ない(通常ドルが使われる)。為替相場の影響を強く受けてしまうために、実情を反映しない場合があることに注意を要する。
 

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この記事の目次
京都議定書をどう守る?
EUが達成でき、日本が困難なワケ

エネルギー技術 原子力発電/再生可能エネルギー

CO2削減技術 省エネルギー

エネルギー政策 日本/欧州

国際交渉 COP

国際協力 排出量取り引き