異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

鳥井弘之の『ニュースの深層』

バイオガソリンは
地球温暖化防止の救世主か?

マヨネーズも値上がり…、食料品高騰など思わぬ副作用も

 自動車によるバイオエタノールの利用という点ではブラジルの実績が群を抜いている。1973年のオイルショックを機に、サトウキビからエタノールを製造して石油の代替とする「国家アルコール計画」を開始した。紆余曲折はあったものの、ブラジルでは現在、ガソリンに25%のエタノールが混合されている。ブラジルは世界最大のエタノール生産国であり、年間1550万klを製造している。

 もちろん、欧米でもバイオガソリンへの期待は大きい。米国では、自動車用燃料に占めるエタノールなどの比率を2015年までに1/10、2025年までに 1/3まで高めるという計画を持っている。欧州でも、2020年までに最終エネルギー消費の13%をバイオマスで賄うという目標を立てており、輸送用燃料については、2010年までに6%を、2030年までに25%をバイオガソリンなどで代替するとしている。

 4月25日の日本経済新聞朝刊は「米、トウモロコシ高騰、食品・農地価格上昇に波及」という記事を掲載している。記事の要旨は「昨年ブッシュ大統領が打ち出したエタノール利用を奨励するエネルギー政策の影響で、エタノールの原料となるトウモロコシの価格が急騰。その影響で冷凍食品、卵、パンなどの食料品や、家畜の飼料も値上がりしている」という話であった。トウモロコシを人々が食べる食料や動物の飼料に使うのか、それとも発酵させてエネルギー源として使うか、選択肢が増えたことが思わぬところに大きな影響を与えるようになってしまった。自動車用燃料に使うため菜種油の値段が高騰し、マヨネーズが値上がりするというニュースもあった。

 現在の農業は様々な形でエネルギーをつぎ込んで生産性を上げてきた。農作業に使う車両や農業機械は石油で動く。ハウス栽培などでは温度を制御するために電気や石油を使う。農薬や種子の散布に飛行機を使う大規模栽培もある。もちろん、作物の輸送にもエネルギーが必要である。農業が石油などのエネルギーに依存するようになって、石油価格が農業のコストを左右するようになっている。その上、エネルギーの市場で、石油かエタノールかという競合が起これば、石油価格の変動が別な形で農業に影響することも考えられる。

■世界のバイオエタノールの生産動向

世界のバイオエタノールの生産動向

生産量トップのブラジルと第2位の米国で、世界生産のほぼ7割を占める(出典:F.O.Licht’s WEBER04、農林水産省ホームページ資料より)

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