異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

十市勉の『資源Wars』

中国のエネルギー・環境問題と日中協力[後編]

低炭素技術は競争の時代
目指すべき「戦略的互恵関係」

2011年2月28日(月)公開
日中間の協力体制

 日中間では、エネルギーと環境についての課題解決に関して、協力体制を築くことが喫緊の課題だ。日本と中国は、「世界の成長センター」である東アジアに位置する2大経済大国である。この2国が互恵関係を結び、アジア全体のエネルギーの安定供給の確保や地球温暖化対策だけでなく、日本の少子高齢化や、中国の急成長に伴うさまざまな歪(ゆが)みといった課題をともに解決していくことで、アジア全体の経済発展が持続可能なものになる。

 政治学者であり防衛大学校校長の五百籏頭真(いおきべまこと)氏は、「軍事面では日米同盟、経済面では日中協商を進めるべき」と常々主張されているが、筆者も全くその通りだと思っている。今後の中国との関係をどう保っていくのか、日本の外交力が問われるところである。

 日中間におけるエネルギー関連の協力の歩みは、「日中省エネルギー・環境総合フォーラム」が2006年にスタートしたときから始まっている。5回目を数えた2010年10月の会合では、44の協力案件で合意をした。従来から多かった省エネや環境保全に加えて、より進んだ技術面での提携や協力が、新たな案件として加わっている。

 例えば、大連市での資源循環・低炭素モデル都市事業や、天津市での環境都市プロジェクト。そのほかにも、新交通情報システム技術の実証事業、スマートグリッドの技術協力、石炭火力の効率向上や環境改善などがある。これらは一目で分かるように、日本が独自に進めようとしている内容と、ほぼ等しい。

 今後は、こうしたハード面ばかりでなく、ソフト面での技術協力が進んでいくと思われる。すなわち、低炭素化に向けた企業などの管理制度や運営ノウハウに関する教育や、人材の育成などだ。こうしたソフト面は、長年の経験による蓄積が物を言うもので、まだ日本側が優位に立っている分野である。中国側もそれは十分に承知しており、日本のシステムを学び、国内の制度面での体制整備を進めようとしている。

 ちなみに、筆者が所属する日本エネルギー経済研究所でも、2007年4月に中国能源研究所と日中省エネ政策の共同研究で合意し、その後も活動を継続している。
 

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この記事の目次
中国のエネルギー・環境問題と日中協力[後編]
低炭素技術は競争の時代
目指すべき「戦略的互恵関係」

エネルギー政策 BRICs/日本

国際協力 途上国支援