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国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)が閉幕した。地球温暖化問題における2013年以降の世界の方向を決める重要な会議であり、大排出国・米中の動向や途上国に対する支援システム構築など、注目すべき点は多かった。今回の交渉結果をどのように読み、今後日本はどの方向に進むべきかを提言する。

コラム

十市勉の『資源Wars』

バイオ燃料の時代は到来するか[後編]

次世代バイオ燃料は救世主か?

2008年3月10日(月)公開
食糧供給を圧迫するバイオブーム

 温暖化対策やエネルギー安全保障の観点から、輸送用燃料の代替として世界的に注目を集めるバイオ燃料だが、最近、その負の側面も明らかになってきた。原料となる作物栽培のための大規模な土地利用が、食糧供給を圧迫したり、森林破壊を引き起こしたりしているのだ。

 事実、インドネシアやマレーシアではパーム油によるバイオ燃料の生産がさかんだが、このための大規模な森林開発が問題になっている。特にインドネシアでは、スマトラ島などで森林を伐採して切り倒した木を燃やし、畑を作ってパーム油の原料となるアブラヤシを植林している。これが森林火災の原因ともなり、急速な勢いで森林が消滅しているのだ。

 バイオディーゼルの普及を急激な勢いで進めている欧州では、菜種油の価格が上がり、マヨネーズをはじめ、さまざまな食料品の価格に影響を与えている。パーム油も例外ではない。パーム油の約60%は食用油として利用されており、多くの発展途上国では、主要な食用の油源となっている。パーム油の価格は2007年6月に、1t当たり850ドルまで急騰。食料品価格だけでなく、石けんなど生活物資の値上がりの要因にもなり、問題となっている。

 エネルギー作物生産のための大規模なプランテーション開発や転作により、食糧栽培面積が減るという問題もある。例えば、従来は食用作物をつくっていた農家が、サトウキビやトウモロコシなどに転作すると、今までつくっていた作物の需給がひっ迫して価格が上がる。バイオ燃料の生産には大量の原料が必要となるため、食用作物の耕地をエネルギー用作物に転換すると、食糧の需給に多大な影響を与えることになる。

 単一作物の栽培は生態系にも悪影響を及ぼす。最近では、欧州のNGO(非政府組織)などが「バイオディーゼルへの使用には反対」と、かなり明確に主張しており、パーム油の燃料利用に圧力をかけ始めている。ドイツのメルケル首相も、生産国を名指しで批判した。EUでは、バイオディーゼルの輸入時に、産地や栽培方法を確認するという方針を打ち出している。将来的には、森林を破壊して栽培された原料を使ったバイオ燃料は受け入れないことになるだろう。
 

■国策としてバイオ燃料事業に進出するマレーシア、インドネシア

世界のパームフルーツ生産量(1975年〜2005年)

マレーシアやインドネシアはパーム油の生産量を急激に増やしている。現在はマレーシアの生産量が世界最大だが、インドネシアは、これを追い抜く勢いだ(出所:日本エネルギー経済研究所)
 

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この記事の目次
バイオ燃料の時代は到来するか[後編]
次世代バイオ燃料は救世主か?

エネルギー技術 バイオ燃料/再生可能エネルギー

エネルギー政策 日本

電気事業連合会