異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

寺島実郎の『環境経済の核心』

COP15と16の間の大きな変化

グリーンファンドで合意のCOP16
国際的な潮流の変化見極めた対応を

2011年1月31日(月)公開
国内排出量取引制度見直しの背景

 メキシコ・カンクンで開催された第16回気候変動枠組条約締約国会議(COP16)が昨年12月11日に終わり、わが国の環境政策も新たな展開を見せている。

 昨年3月に閣議決定された地球温暖化対策基本法案の主な3つの政策に対して、政府は、12月28日に以下のような方針を示した。

  1. 「地球温暖化対策税(環境税)」:石油石炭税率に上乗せするかたちで、今年10月から段階的に導入
  2. 「国内排出量取引制度」:国内の企業間における温室効果ガスの排出枠の売買は、2013年導入を見送り、戦略的再構築を検討
  3. 「再生可能エネルギーの全量固定価格買い取り制度」:太陽光、風力、地熱などで得られた電気のうち、余った分を電力会社が全量買い取る制度、2012年導入を検討

 これは民主党政権のマニュフェストにも掲げられ、2020年までに温室効果ガスを1990年比で25%削減するという“鳩山イニシアティブ”の実現手段である。いわゆる“3点セット”の環境政策について、国会で合意形成を「した」「しない」という議論はさておく。

 注目すべきは、「国内排出量取引制度」が見送られたことの背景にあるものだ。それは2009年にデンマーク・コペンハーゲンで開かれたCOP15から、COP16へと大きく変化した世界の流れだ。

 温室効果ガスの国別総量規制やキャップ・アンド・トレードに代表される排出枠の取引制度は、先進国が途上国を上から押さえ込んでいこうとする形の方法論であり、この国際合意の形成は非常に難しいことがCOP15ではっきり見えてきた。特に排出枠を売買し、排出権取引制度につながる方法に対する途上国の拒否感が強くなっていた。なぜならば、途上国側の関心は、押し付けの枠組みや制度に参加することではなく、技術移転や資金援助の流れが自国に向かうかどうかにあるからだ。世界が同じ方法論のもとに対応する限り、およそ、合意形成には至らないだろうということがCOP15からCOP16に流れてきた大きなトレンドだ。
 

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この記事の目次
COP15と16の間の大きな変化
グリーンファンドで合意のCOP16
国際的な潮流の変化見極めた対応を

エネルギー政策 未入稿

国際交渉 COP

国際協力 途上国支援/CDM/JI/排出量取引