異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

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“需要”の省エネ・CO2削減(2)

進むクルマと産業のCO2削減
“いいものづくり”の好機に

2011年3月7日(月)公開
ビルの省エネはテナント巻き込む

 業務部門の省エネも家庭同様、まずは使用エネルギーの見える化で現状を把握することから始めよう。

 用途別のエネルギー消費 を見ると、動力・照明が全体の約49%を占める。暖房に関してはビル内の機器からの発熱も手伝って減少傾向にある。

 業務のエネルギーマネジメントは、第1に現状を知ること。第2に個人の意識や知恵に頼るのではなく、組織的に取り組み、必要に応じて適切なツールを使うこと。それには適切なオプションの提示も必要である。そして第3に「もうかる」ことを示すことだ。この点が家庭との大きな違いである。

 業務部門のエネルギー消費は第3次産業が対象で、事務所・ビルのシェアが21%で最も高い。ビルは家庭より規模が大きく、省エネルギー、コストダウンの余地も大きいため、氷蓄熱、コジェネレーション(熱電併給)など、より高度な技術を適用できる。しかし、ビルの省エネの難しさは、自社ビルであれテナントビルであれ、いろいろな業態で独立した行動をする利用者がいる点にある。家庭の場合は自分が好きなように工夫できるが、ビルではそうはいかない。実際、ビルなど業務部門の省エネがなかなか進まない原因として、省エネノウハウに関する情報が不足していることに加え、利用者の協力を得づらかったり、利用者の業務・業態によっては省エネしづらいなどの理由が挙げられている。

 しかし、もっと実際的な理由もある。テナントビルの場合、水道光熱費が面積按分の共益費に含まれているケースがある。また、自社ビルの場合は、社員などの利用者が電力消費を全く意識していないこともある。そうした場合、電力を“使った者勝ち”の状態となり、省エネしようという意識が芽生えない。

 こうしたケースでは、使った分だけ光熱費を払う仕組みに変えることがもっとも基本的な対応となる。しかし、それにはさまざまな調整と合意が必要になり、時間がかかる場合も多い。意識を高めるためにすぐにでも着手できることは、利用者ごとに単位面積当たりのエネルギー使用量を計測して業態別にランキングし、その情報を公開することだ。利用者の省エネ行動を促す効果は高いだろう。利用者を省エネ活動にうまく巻き込みたいところだ。

 人を動かすには、まず相手に理解させることと納得させることが必要だ。これを加速する方法として、「規制」と「インセンティブ」が挙げられる。前者は強制的な方法でコストはかからない。後者は対象者に有利な条件を提示することでモチベーションを上げて行動を誘導する。省エネの場合、「電気代やガス代が安くなる」というのはインセンティブにはなるが、その使用に制約がかかる(と感じる)ことと比較すると、それだけではやや弱いのが現実だ。現在多くの企業が取り組んでいる社会的責任(CSR)活動は、それを後押しする力になると考えられる。また、行政には、企業が省エネに参加しやすい制度を作り、有効なインセンティブを付けるなどの環境整備に注力することを期待したい。
 

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この記事の目次
“需要”の省エネ・CO2削減(2)
進むクルマと産業のCO2削減
“いいものづくり”の好機に

エネルギー技術 化石燃料

CO2削減技術 省エネルギー

エネルギー政策 日本

エネルギー消費 建築物/交通・運輸

CSR対策 SRI(社会的責任投資)