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温暖化国際交渉、COP16の意義
コラム
野村浩二の『ポスト京都の経済インパクト』
温暖化対策と交差する成長戦略
太陽電池で成長を牽引できるか?
ドイツでは、90年代からの政策支援によって、風力を中心とした再生可能エネルギーのシェアは総電力供給量のおよそ15%にまで高められた。こうした成果はエネルギーセキュリティーの観点からも評価されているが、現在では、再生可能エネルギーが脱原発のすべてを埋めるものではないことも明白となっている(Moore, M (2009)”German’s Fine Failure”, Miller-McCune)。メルケル首相は2009年9月の総選挙で勝利し、脱原発としていた政策からの転換を改めて表明している。
ドイツ経済は、日本が今後10年で目指すべき理想像として描いているグリーン成長を達成しているのか。現在の状況を見る限り、それを肯定する材料を提供してはいない。国内外の政策支援に支えられ生産を拡大してきたQセルズのバブルは既にはじけ、一国経済として実質GDPの成長率を見れば、2009年の第1四半期から第3四半期まで、四半期ごとの対前年同期比では-6.7%、-5.8%、-4.8%と歴史的な低迷を迎えている。このドイツのGDPの下落率は、フランス(それぞれ-2.4%、-2.9%、-3.5%)や、震源地である米国(それぞれ-3.3%、-3.8%、-2.3%)のおよそ2倍にも及ぶ。
積極的なグリーン投資が短期的な景気刺激を超えて、新たな競争力と成長のパスを提供する。そのようなグリーン成長を、現在のドイツ経済が謳歌している訳ではないことは明らかである。むしろリーマンショック後の景気後退は、ドイツでこそ深刻である。ドイツ経済の深刻な停滞のもと、2011年に改正される再生可能エネルギー法では、補助金が削減されると見込まれている。
日本では、再生可能エネルギー、とくに太陽光発電へと資源配分の傾斜が始まりつつあるようだ。多様なエネルギー源の確保によるエネルギーセキュリティー、地球温暖化対策、そして成長戦略と、異なる目的を持つ政策からの視線が集まっている。視線の重なりが過大な期待を生じ、過剰な投資を導くものであっては、将来世代が享受できる太陽光発電からのさまざまな便益を加算しても、(それまでの高い投資コストを反映した)償却費用を下回ってしまうのではないかとの懸念は大きい。成長戦略としても、温暖化対策としても、太陽光発電ほどに高価ではない対策は数多い。国によって自然条件が大きく異なる中で、日本の再生可能エネルギーへの投資をどこまでか進めるべきか、その便益と費用との評価が求められている。
野村 浩二 氏 (のむら こうじ)
慶應義塾大学 産業研究所 准教授
1971年生まれ。1989年、北海道立函館中部高校卒。1998年、慶應義塾大学商学研究科博士課程終了。博士(商学)。1996年、慶應義塾大学産業研究所助手。2003年より現職。2003年7月−2005年6月、ハーバード大学ケネディースクールCBGフェロー。2005年、義塾賞。2006年11月−2007年7月、OECDエコノミスト。2005年7月−2008年9月、内閣府 経済社会総合研究所 客員主任研究員。2007年9月より国際機関アジア生産性機構 プロジェクトマネージャー。2008年10月より内閣府 統計委員会委員。著書に『資本の測定──日本経済の資本深化と生産性』(慶應義塾大学出版会)(第48回 日経・経済図書文化賞受賞)。
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環境省 地球環境審議官 南川秀樹氏(10/09/16) |
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経済産業副大臣 増子輝彦氏(10/01/25) |
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温暖化対策と交差する成長戦略
太陽電池で成長を牽引できるか?
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