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温暖化国際交渉、COP16の意義
コラム
野村浩二の『ポスト京都の経済インパクト』
ポーター仮説の呪縛からの解放
野心的な温暖化対策は
国内企業の競争力を高めるのか?
2020年に温室効果ガス(GHG)を1990年比で25%削減するという鳩山政権の野心的な目標に対し、それが海外でのオフセットではなく国内対策(いわゆる真水)に軸足を置こうとする意思が伝わるなかで、日本はいまだ混迷している。産業界はそのコスト増加と競争力の低下を鮮明にイメージすることができるため、国内対策での25%削減の重みの前に言葉を失っているかのようである。エネルギー経済分野の分析者は、企業や家計などのミクロレベルとは異なって、一国全体として25%削減を10年という期間で実施することが極めて厳しいことを経験的に理解している。だからこそ、もし日本だけが野心的な目標を設定すれば、工場の海外移転を招いて国内の雇用を失い、外国でのGHGの排出量を増やすだけであろうと危惧しているのである。
しかし一方で、こうした危機感をよそに、全く対立する見解がある。彼らは、国内対策としての野心的な目標設定は、これからの日本経済の成長を担うリーディング・セクターを育成し、技術開発を促進しながら競争力のある産業構造へと変革をもたらし、新たな雇用創出も可能にすると主張する。ここで重要なことは、温暖化対策の強化は、太陽光発電や次世代自動車などの一部の企業に恩恵を与えるだけではなく、経済全体としてむしろプラスであると期待していることである。
このような2つの見解は、経済学的な考え方の相違に基づいている。GHG排出規制のような政策では、企業は化石燃料の消費を抑制するため、代替的な生産手段を選ぶことになる。もしその手段がより安価なものであれば、それは始めから選択されていたはずであるという意味で、このような代替手段の選択はコスト増をもたらす。ゆえに競争力は減退し、経済成長に対してマイナスの影響を持つことになろう。これが伝統的な考え方である。経済全体で見れば、企業におけるコストの増加は、一方では代替的な生産手段を生産する企業に対する需要の創出である。現実の経済において失業や遊休設備が存在していれば、需要の拡大は少なくとも短期的には経済成長を牽引(けんいん)するだろう。しかし、このようなケインズ効果は限定的であり、国内対策25%削減のような野心的な制約のもとでは、経済成長に対するマイナスの影響を部分的に相殺するに過ぎないだろう。
新古典派やケインジアンと呼ばれる、こういった経済学における標準的な考え方は、環境の経済分析の分野においては、より野心的な仮説の挑戦を受けている。それは「ポーター仮説」である。国内対策(真水)による25%削減が望ましいとするような主張の正当性は、この仮説が有効であるかどうかにかかっている。
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松本龍・環境大臣(11/02/10) NEW | ![]() |
環境省 地球環境審議官 南川秀樹氏(10/09/16) |
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経済産業省 大臣官房審議官 有馬純氏(10/08/16) |
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ピュー気候変動センター 国際戦略部長 エリオット・ディリンジャー氏(10/03/25) |
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経済産業副大臣 増子輝彦氏(10/01/25) |
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ブレークスルー研究所 マイケル・シェレンバーガー所長 テッド・ノードハウス会長(09/12/21) |


野心的な温暖化対策は
国内企業の競争力を高めるのか?
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