異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

中上英俊の『暮らしとエネルギーと温暖化』

ポスト京都に向けて

途上国のエネルギー需要抑制へ
「アジア・バブル構想」のススメ

2008年4月28日(月)公開
途上国の需要増で切迫するエネルギー問題

 この4月1日から、京都議定書の第一約束期間(2008年-2012年)が日本でも実質的にスタートした。昨年の今ごろとは打って変わって、連日、地球温暖化にかかわる記事や報道を目にするようになった。「このような状況が、2年でも3年でも早かったならば……」と悔やまれるのだが、それでも、何も対応しないよりはましであろう。加えて各論評では、わが国の取り組みに対して手厳しい内容のものが多い。「海外と比べ、日本の取り組みはそんなに劣っているのだろうか?」と首をかしげたくなるくらいだ。

 当連載でこれまで検証してきたとおり、暮らしの側面から見る限り、わが国の暮らしのエネルギー消費は、欧米先進諸国に比べると決して多いわけではない。むしろ随分と少ないくらいだ。しかし、アジア諸国と比べれば、エネルギー消費がはるかに多いこともまた事実だ。これらアジアの国々では生活水準の向上が急ピッチで進んでおり、生活水準のみならず産業の発展も目覚ましい。このペースはしばらく続くに違いないだろう。

 私は、このような状況が続くと、地球温暖化問題もさることながら、エネルギー資源をめぐる南北間の摩擦が激化するのではないかと危惧している。地球規模で考えるならば、数億年をかけて地球が蓄えてくれた化石燃料を一部の先進国が使い切るなどということは、どう考えてもおかしな話だろう。発展が遅れている国々にも、化石燃料を応分に利用する権利があるはずだ。とすると、先進国は、できるだけ化石燃料に頼らないエネルギーシステムの構築を急ぐべきだろう。

 今回は、このような視点も含めて、「ポスト京都」におけるわが国の貢献の可能性を考えてみたい。
 

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この記事の目次
ポスト京都に向けて
途上国のエネルギー需要抑制へ
「アジア・バブル構想」のススメ

国際交渉 サミット/COP

国際協力 途上国支援

CO2削減技術 省エネルギー/トップランナー方式