異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

中上英俊の『暮らしとエネルギーと温暖化』

家庭の省エネルギーをどう進めるか-4

使い方で電気代が大きく変わる
家電の省エネを再検証

設置場所で電気代が15%も変わる冷蔵庫

 冷蔵庫は、家電製品のなかでもエアコンに次いで年間の電力消費量が多い機器である。24時間365日稼働するため、電力をたくさん使うことになる。冷蔵庫も「トップランナー制度」で定められた特定機器なので、効率の改善が進んでいる。2005年度に発売された機種と1998年度に発売された機種を比較すると、約33%もエネルギー消費が少なくなっている。また、おもしろいことに、冷蔵庫の容量別に年間消費電力量を比較すると、141〜300リットルの中型 から、容量450リットル以上の大型まで、平均消費電力量の差は大きくない。むしろ、300リットルクラスでも、400リットルクラスより年間消費電力量が多いものもある。冷蔵庫には「統一省エネラベル」が貼られているので、ラベルに記載された消費電力量をよく確かめてから購入するとよい。

 冷蔵庫も使い方によって、電力消費量が大きく違ってくる。壁などにぴったり寄せて設置すると熱を逃がしにくくなるので、どうしても効率が低下してしまう。少なくとも、左右や背後の壁との間に5cm程度のスペースをとってやること、また冷蔵庫の上も10cm以上は空けておきたい。ぴったり寄せた場合と比較すると、15%程度の省エネルギーになるという実験結果もある。

 知人に聞いた例では、家族旅行で留守にするので、冷蔵庫がある台所の扉を閉め切って出かけたところ、いつも以上の電力を消費したそうだ。原因は、知人宅の台所の日当たりがよく、室温が30℃を大きく超えた温室状態になり、冷蔵庫のコンプレッサーが、回りっぱなしになったからだったそうだ。いつもなら、台所の扉は開いており、そこまで台所の温度が上昇することはない。閉めきった台所の室温が、冷蔵庫の放熱でさらに上昇し、コンプレッサーが回りっぱなしになったということだろう。こんなことにならないように、冷蔵庫の熱が逃げやすい環境にしてやることも、上述の隙間を空けることとともに大切である。
 

中上英俊 氏中上英俊 氏 (なかがみ ひでとし)
住環境計画研究所 代表取締役所長 早稲田大学客員教授ほか

1945年岡山県生まれ。1968年横浜国立大学工学部建築学科卒業後、横浜国立大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程修了、東京大学大学院工学系研究科建築学専門課程博士課程修了。同年、住環境計画研究所を創設し現在に至る。工学博士。

役職としては、日本エネルギー学会理事、ESCO推進協議会副会長。政府機関の委員としては、経済産業省総合資源エネルギー調査会委員として需給部会委員・省エネルギー部会部会長代理・新エネルギー部会委員、環境省中央環境審議会臨時委員として地球環境部会委員・総合政策・地球環境合同部会委員、国土交通省社会資本整備審議会・住宅建築物省エネルギー部会委員ほかを務める。

共著書に『エネルギー新時代─“ホロニック・パス”へ向けて』(省エネルギーセンター)、『地球温暖化問題ハンドブック』(アイピーシー)『地球時代の環境政策』(ぎょうせい)など多数。専門分野はエネルギ−・地球環境問題、地域問題。

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