異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

中上英俊の『暮らしとエネルギーと温暖化』

建物と設備から見直す暮らしのエネルギー消費

カタログ性能だけでは不十分
能力生かす知恵が重要に

2008年2月4日(月)公開
南北に長い日本で住宅の省エネルギーをどう考える?

 日本家庭の冬のエネルギー消費を調べると、風呂などの給湯用に次いで暖房用の消費が多い。今後は、さらに暖房水準の向上が見込まれることから、暖房用のエネルギー消費は増加すると予想され、住宅の省エネルギー化はますます重要となる。住宅の省エネルギー化はエネルギー消費を削減するだけでなく、副次的な効果として、住宅の居住性能を大きく改善してくれるという利点もある。

 一方、暖房用設備として、最近、その普及が目覚ましいエアコンであるが、省エネルギー法によるトップランナー制度により、効率が著しく向上している。他方、せっかくの性能の向上を生かすためには、使い方に合わせた機器の選定が非常に重要となっている。

 今回は、このような視点から住宅の省エネルギーを考えてみたい。

●第一次石油危機が促した住宅の保温構造化

 日本における住宅の保温構造化の歴史は、暖房の歴史と同様、極めて新しいと言ってよい。住宅の保温構造化の基本は、断熱材の導入にある。そもそも、わが国の住宅での断熱材の使用は、暖房用エネルギーの節減よりも、住宅における結露被害の防止や結露による非衛生的な居住環境(カビの発生により健康に被害を及ぼす例)の排除を目的として検討されたのが始まりであった。その後、1973年に第一次石油危機に襲われ、「省エネルギー」という言葉が一般の消費者に初めて認知されることになった。これを契機に、住宅の省エネルギーが意識されるようになり、保温構造化が初めて本格的に政策レベルで検討されることになったのである。

 住宅の省エネルギー基準を策定するに当たり、住宅を戸建て住宅と集合住宅の二種類に分けることとなった。さらに、北海道から沖縄まで幅広い気候区があることから、わが国を5つの地域に分けて基準づくりを行い、合計で10件の基準値が定められた。基準として用いられた指標は、「熱損失係数」と呼ばれ、単位時間と単位面積当たりの熱の損失量(W/m2K)で表される。この値が小さいほど、省エネルギー性が高いことになる。寒冷な北海道の基準は最も厳しく、反対に南の沖縄県や鹿児島県、宮崎県の基準は緩やかな数値となっている。
 

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